Googleデータポータル/Tableau/Domo/Lookerの特徴
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はじめに
マーケティング分析の目的は、データを収集し、データを整理し、ビジネスを改善するために重要なインサイトを発見することです。マーケティングの意思決定に欠かせない業務ですが、いざ分析をしようとすると非常に面倒で手間のかかるプロセスが沢山あります。
これらの手間のかかるプロセスを簡単にしてくれるのがマーケティング分析ツールなのですが、ご存知のようにマーケティング分析ツールには非常に多くの選択肢があり、自社に最適なマーケティング分析ツールがどれなのかを知ることは非常に難しくなっています。
そこで本記事では、特に沢山のプロダクトがリリースされているBIツールに焦点を当てて、皆様に自社に最適なツール選びの参考にしていただくために、主要サービスの特徴を分かりやすく解説します。
1. マーケティング分析のおおまかなステップ
マーケティング分析は、大きく以下の3つのステップに分けることができます。
・データを収集する
ビジネスオーナーは、データを読み解き理解する前に分断されたすべてのデータを1か所にまとめる必要があります。このためには、データの集約を支援するETLツールが必要です。もしこれをコピーアンドペーストで手作業で行うと何百時間も無駄に費やすことになります。たとえば、海外のFunnelやImprovadoは、マーケティングデータを1か所に集約するデータサイエンティスト向けのマーケティングETLツールです。
・データを保存する
多くの方々がデータをExcelやGoogleスプレッドシートに保存していますが、ビジネスが大きくなりデータ量が増えるとExcelやGoogleスプレッドシートでは処理のスピードが著しく遅くなってしまうため、最近ではBigQueryのようなデータウェアハウスにデータを保存し超高速で処理できるシステムの利用が進んでいます。
・データの視覚化
データを1か所に集めたら、視覚化できます。今話題のTableauやGoogleデータポータル (旧Googleデータスタジオ)のようなBIツールを利用すると分かりやすく美しいチャートやグラフを作成でき、ExcelやGoogleスプレッドシートでは見つけられなかった多くのインサイトを発見することができます。
2. データを視覚化する代表的なBIツールの特徴
Googleデータポータル


Googleには無料のデータ視覚化ツールGoogleデータポータル (旧データスタジオ)があります。Googleデータポータル (旧データスタジオ)は、データの視覚化とビジネスインテリジェンスを可能にするデータ分析ツールです。
データの収集を自動化するには、データサイエンティスト向けのFunnelやImprovadoといったマーケティングETLツールが必要です。そうしないと、手動で集計するのに月あたり40時間以上かかります。データサイエンティストがいない日本国内の企業様には専属のデータサイエンティストが代わりに自動化を行ってくれる弊社の広告効果測定システムをご利用ください
既にGoogleアカウントをお持ちの場合、Googleデータポータル (旧データスタジオ)でのセットアップは非常に簡単です。開始するために必要なことは、提供されているテンプレートの1つをコピーして、それをベースにカスタマイズしていくことです。(日本語テンプレートはこちら)
長所:
- 複数のソースからデータをインポートする機能
- すっきりしたシンプルなインターフェース
- 無料で利用可能
- シンプルなチャートは簡単に作成可能
- 定期的に新機能がリリース
短所:
- データを収集するためのサードパーティコネクタの一部は、しばしば「切断」され、データが欠落している場合があります
- データソースを利用するために学習が必要になります
価格:
Googleデータポータル (旧データスタジオ)は無料です
Tableau


Tableauは、視覚化とビジネスインテリジェンスを可能にするデータ分析ツールです。
データの収集を自動化するには、データサイエンティスト向けのFunnelやImprovadoといったマーケティングETLツールが必要です。そうしないと、手動で集計するのに月あたり40時間以上かかります。データサイエンティストがいない日本国内の企業様には専属のデータサイエンティストが代わりに自動化を行ってくれる弊社の広告効果測定システムをご利用ください
Tableauは、データをアクション可能なインサイトに変換するのに役立ちます。ドラッグアンドドロップ機能により、高度な視覚分析を備えたインタラクティブなダッシュボードを作成できます。Tableauを使用すると、チャート、マップ、グラフ、およびその他のいくつかのグラフィックを作成できます。
長所:
- データを整理して並べ替え、思い通りに表示できます
- クラウドおよびデータウェアハウスを使用したファイルへのアクセス
- 多目的
- 直感的で使いやすい
- 多数のデータソースと接続します
短所:
- 大きなデータファイルの読み込みに数分かかることがあります
- グラフは時々制限されます
- ダッシュボードが時々遅くなることがあります
価格:
Tableauは、ソフトウェアの2つの異なる価格セットを提供しています。オンプレミスでソフトウェアをインストールするための価格セットと、Tableauでホストされるソフトウェア用の価格セットがあります。閲覧権限のみのTableau Viewerは最低購入数が100名/年間契約となっており小規模な企業には割高になる可能性が高いためご注意ください。


Domo


Domoは、ビジネスインテリジェンスとデータの視覚化に特化したデータ分析プラットフォームです。
Domoはどんな企業に向いてる?
Domoプラットフォームは、マーケティング特化ではないBIツールを探している経営幹部に最適です。Domoではエグゼクティブレベルのダッシュボードを作成できます。Domoは、マーケティングデータに特に焦点を合わせていません。より一般的なビジネスデータの利用に向いています。マーケティングデータを集約するためのコネクタもそれほど多くなく、またマーケティング部門だけが使用するにはコストがかかりすぎるため、Domoはマーケティングデータの集約と視覚化を目的とした場合にはおそらく最適な選択肢ではありません。
データの収集を自動化するには、データサイエンティスト向けのFunnelやImprovadoといったマーケティングETLツールが必要です。そうしないと、手動で集計するのに月あたり40時間以上かかります。データサイエンティストがいない日本国内の企業様には専属のデータサイエンティストが代わりに自動化を行ってくれる弊社の広告効果測定システムをご利用ください
長所:
- マーケティングおよびセールス、オペレーション、IT、HR、および財務全体で500を超えるコネクタを提供
- 単一のダッシュボードでのリアルタイムデータ
- プログラミング不要
短所:
- マーケティングに特に焦点を合わせていないため、マーケティングデータの集約に制限がある
- Domoダッシュボードでのみデータを表示できます。エクスポート、保存、または別のBIツールで表示する方法はありません
- 完全にクラウドに基づいているため、データの大部分がオンサイトにある場合は問題が発生する可能性があります
- ここ数年でツールの大幅なアップデートが行われていない
- 価格がクローズになっており、多くの企業にとって多大な費用がかかります
価格:
Domoは年間契約で、価格はツールへアクセスする人数によって異なります。30日間の無料トライアルが提供されます。
Looker


Lookerは、視覚化とビジネスインテリジェンスを可能にするデータ分析ツールです。
データの収集を自動化するには、データサイエンティスト向けのFunnelやImprovadoといったマーケティングETLツールが必要です。そうしないと、手動で集計するのに月あたり40時間以上かかります。データサイエンティストがいない日本国内の企業様には専属のデータサイエンティストが代わりに自動化を行ってくれる弊社の広告効果測定システムをご利用ください
Lookerを使用すると、さまざまなインタラクティブな視覚化を簡単に選択、カスタマイズ、作成でき、さまざまなグラフやチャートを選択できます。
※注:2019年6月GoogleがLookerを買収したため、Lookerの機能はGoogleデータポータル、もしくはBigQueryの一部として統合されるものと思われます
長所:
- 素晴らしいカスタマイズ
- 非常に直感的
- ビッグデータプラットフォームおよびデータベースと統合
- 優れた顧客サポート
短所:
- シンプルだが柔軟性は不足
- 大きなダッシュボードの読み込みには時間がかかる場合があります
価格:
Lookerは価格は個別見積もりになります
3. おすすめのデータウェアハウス/DWHのご紹介(データの保存)
次に、BIツールを利用する際にデータソースとして良く利用されるデータウェアハウスについても簡単にご紹介します。
BigQuery

BigQueryはGoogleが提供する、クラウド型のデータウェアハウスツールです。データの保存に最適です。BigQueryは、数テラバイトのデータセットでも超高速のSQLクエリで数秒で処理することができます。
長所:
- 低価格、クエリ実行時にのみ費用が発生
- 堅牢なシステム
- 大規模なデータセットでも数秒で分析可能
- BigQuery内で機械学習のモデルが作れる
短所:
- 非エンジニアには学習が必要になります
- BigQuery APIにはコーディングスキルが必要です
- データの更新頻度が高いサービスには不向き(更新頻度の上限が存在)
価格
BigQueryは、クエリ実行時にのみ費用が発生するシステムです。価格は非常に安価に設定されています。

Amazon Redshift

Amazon Redshiftはデータウェアハウスであり、人気のAmazon Webサービスの一部です。データの保存に最適です。Amazon Redshiftは、ペタバイト規模のデータを処理できるデータウェアハウスであり、アナリストはそこから数秒以内にクエリを実行できます。
Redshiftは、費用対効果の高いデータウェアハウスであり、標準SQLでほぼすべてのデータタイプを分析することができまs。Amazon Web Servicesプラットフォームでは、一般的な管理タスクの大部分を自動化して、データウェアハウスを監視、管理、およびスケーリングできます。Redshiftはクラスターの状態を継続的に監視し、障害が発生したドライブからデータを自動的に再複製し、必要に応じてノードを置き換えます。
長所:
- Redshiftはすべてのデータを分析のためにまとめます
- ユーザーは、簡単にアクセスできるデータベースに大規模なデータセットを保存できます
- Redshiftクラスターは迅速かつ簡単に展開できます
短所:
- データのサイズによって分析が難しい場合があります
- データベースの最適化が難しい場合があります
- 独自のデータベースであるため、postgres構文またはプラグインを直接使用することは完全にはできません
- デスクトップクライアント用の多くのオプションはありません
価格
Amazon Redshiftの価格は、1つのRedshiftインスタンスで1時間あたり0.25ドルから、大規模な場合では1年あたりテラバイトあたり最大1,000ドルまでです。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。各社の特徴をまとめましたが、分析ツールは実際に使ってみて初めて関係者から様々な要望が出てくることが多いため、弊社としては小さくはじめて適宜改良していくスタイルを推奨しています。
そういう意味では、まずはGoogleの提供する拡張性が高く安価なツールであるBigQueryとGoogleデータポータル(旧データスタジオ)でスタートし、必要に応じて新しいシステムを検討するのがおすすめです。要件が洗い出されていないのに莫大な費用をかけてゼロから大規模なシステムを導入したが「実は全部Googleのツールでできた!」ということにならないように注意しましょう。
最後に、弊社では本格的なマーケティング分析の仕組みを導入したいがデータサイエンティストやデータエンジニアがいないという企業様向けに、本ページでご紹介したツールを使い弊社のデータサイエンティストが収集から変換/統合、可視化までお客様の分析システムを一気通貫で構築するインハウスプラスの広告効果測定システムをご提供しております。導入後も柔軟に追加開発ができるため、小さくはじめて適宜改良していくスタイルで始めたいという方はお気軽にご相談ください。