流入元計測のためのGoogleアナリティクスのutmパラメータの使い方とサンプルURL一覧

1. utmパラメータとは?

Googleアナリティクスのutmパラメータは、下の例にある?utm_sourceから始まるURLです。

デジタル広告やソーシャルメディア、メールマガジンなどに掲載するサイトURLの後ろにutmパラメータを追加することで、各流入元からどれだけのユーザーが訪れたのか、またどれだけコンバージョンに至ったのかなど各流入経路ごとの正確な効果を把握することができます。

(例)Instagramのストーリーに本サービスTOPページを掲載する場合のURL
https://inhouse-plus.jp/?utm_source=instagram&utm_medium=social&&utm_campaign=story

作業自体は難しくはないですが、いくつかの点に注意しないとデータが正しく取れなかったり、グループ化がうまくできず集計が煩雑になってしまったりします。そしてGoogleアナリティクスは過去のデータを修正することはできません。

本ページではこうした問題が起こらないよう、utmパラメータの基本的な使い方とコピペで使えるutmパラメータのサンプルURLをご紹介します。この記事を参考に設定をすると、以下の図のように全ての流入経路のパフォーマンスを正確に把握することができるので、設定に不安がある方はこの機会にぜひ見直してみてください。

ソース:Googleアナリティクス>集客>参照元/メディアレポート

2. utmパラメータの種類と意味

utmパラメータの種類まとめ

utmパラメータは、全部で5種類あります。上から3つ(utm_source、utm_medium、utm_campaign)は設定が必須です。下の2つ(utm_term、utm_content)は任意のため、必要に応じて使いましょう。

パラメータの種類必須or任意意味目的
utm_source必須参照元どのサイトからのトラフィックかを計測すること
実際のURLの例:utm_source=facebook
utm_medium必須メディアどの種類のメディアからのトラフィックかを計測すること
実際のURLの例:utm_medium=display
utm_campaign必須キャンペーンどのキャンペーンからのトラフィックかを計測すること
実際のURLの例:utm_campaign=summer_sale
utm_term任意キーワードどの有料キーワードからのトラフィックかを計測すること
実際のURLの例:utm_term=watch
utm_content任意広告コンテンツどの広告コンテンツからのトラフィックかを計測すること
実際のURLの例:utm_content=banner1

ここから、設定が必須の3つのutmパラメータの設定方法を分かりやすく解説します。

utm_source:どのサイトからのトラフィックかを計測

utm_sourceには、具体的なサイト名を設定します。

:facebook、twitter、line、blog、newsletterなど。

実際のURLの例:utm_source=facebook

utm_medium:どんな種類のメディアからのトラフィックかを計測

utm_mediumには、メディアの種類(有料広告やソーシャルメディア、メルマガなど)を設定します。

:cpc、display、social、emailなど。

実際のURLの例:utm_medium=display

【注意点】utm_mediumの値は自由記述せず、ルールに沿って設定しよう

Googleアナリティクスは、utm_medium(メディア)の値を元に独自の定義でチャネルをグルーピングします。そのため、utm_mediumの値は自由記述ではなくGoogleの定義したルールに合わせて設定しましょう。もし自由記述したものがルールに沿っていないと以下の例のようにチャネルがその他に分類され、大局的にチャネル管理できなくなります。

流入経路utm_mediumの値分類されるチャネル
Facebook広告utm_medium=displayディスプレイ(Display)
Facebook広告utm_medium=adsその他(Other)

【参考】デフォルトチャネルの定義

チャネルutm_mediumの値
オーガニック検索(Organic Search)organic
ソーシャル(Social)social/social-network/social-media/sm/social network/social mediaのいずれか
メール(Email)email
ノーリファラー(Direct)none
アフィリエイト(Affiliate)affiliate
参照元サイト(Referral)referral
有料検索(Paid Search)cpc/ppc/paidsearchのいずれか
ディスプレイ(Display)display/cpm/bannerのいずれか
他の広告(Other Advertising)cpv/cpa/cpp/content-textのいずれか
その他、使用不可(Other)上記のいずれにも該当しない値

utm_campaign:どのキャンペーンからのトラフィックかを計測

utm_campaignには、製品名やプロモーション名など関連するプロモーション名を入力します。特に入力するものがなくても必ず何かしらの値を設定してください。

:summer_sale、free_trialなど。

実際のURLの例:utm_campaign=summer_sale

3. utmパラメータのサンプルURL一覧

ここからよく使われる流入経路ごとのutmパラメータのサンプルURL一覧を公開します。設定ルールを踏まえたutmパラメータになっているので、コピーしてご利用ください。尚、使用例は便宜上、ランディングページURLをhttps://inhouse-plus.jp/、キャンペーン名は広告向けはremarketingに統一しています。

もしご自身でURLを設定したい場合は、4. GoogleアナリティクスのURL生成ツールを使ってURLを作成する方法に移動してください。

デジタル広告のutmパラメータ

Google広告のutmパラメータ

Google広告はパラメータは不要です。GoogleアナリティクスとGoogle広告アカウントをリンクし自動タグ設定が有効になっている場合は、?gclid=から始まるパラメータが自動的に付与され自動的にトラッキングされます。手動のパラメータを付与すると、広告費をGoogleアナリティクスに取り込もうとしたときに、データインポートができない(google/cpc、google/displayは費用をインポートできない)など、様々な制約を受けるためGoogle広告にはutmパラメータを付与しないようにしましょう。

正しいGoogle広告のURL例(?gclidは自動付与されます):

https://inhouse-plus.jp?gclid=*****

誤ったGoogle広告のURL例:

https://inhouse-plus.jp/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=brand

Facebook広告のutmパラメータ

?utm_source=facebook&utm_medium=display&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=facebook&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

Instagram広告のutmパラメータ

?utm_source=instagram&utm_medium=display&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=instagram&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

Yahoo!検索広告のutmパラメータ

?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=remarketing

Yahoo!ディスプレイ広告のutmパラメータ

?utm_source=yahoo&utm_medium=display&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=yahoo&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

Criteoのutmパラメータ

?utm_source=criteo&utm_medium=display&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=criteo&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

Twitter広告のutmパラメータ

?utm_source=twitter&utm_medium=display&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=twitter&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

LINE広告のutmパラメータ

?utm_source=line&utm_medium=display&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=line&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

Gunosy Adsのutmパラメータ

?utm_source=gunosy&utm_medium=display&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=gunosy&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

SmartNews Adsのutmパラメータ

?utm_source=smartnews&utm_medium=display&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=smartnews&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

indeed求人掲載のutmパラメータ

?utm_source=indeed&utm_medium=cpc&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=indeed&utm_medium=cpc&utm_campaign=remarketing

アフィリエイト広告のutmパラメータ

A8.netのutmパラメータ

?utm_source=a8&utm_medium=affiliate&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=a8&utm_medium=affiliate&&utm_campaign=remarketing

バリューコマースのutmパラメータ

?utm_source=valuecommerce&utm_medium=affiliate&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=valuecommerce&utm_medium=affiliate&&utm_campaign=remarketing

メルマガのutmパラメータ

?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=newsletter&utm_medium=email&&utm_campaign=20210701
※キャンペーンは使用例のように配信日を設定すると配信日ごとの効果を確認できるのでオススメです

ソーシャルメディアのutmパラメータ

Instagramアカウントのプロフィール用utmパラメータ

?utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=profile

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=instagram&utm_medium=social&&utm_campaign=profile

Instagramアカウントのストーリー用utmパラメータ

?utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=story

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=instagram&utm_medium=social&&utm_campaign=story

Instagramアカウントの投稿用utmパラメータ

?utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=post

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=instagram&utm_medium=social&&utm_campaign=post

LINE@のutmパラメータ

?utm_source=line&utm_medium=social&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=line&utm_medium=social&&utm_campaign=20190501
※キャンペーンは使用例のように配信日を設定すると配信日ごとの効果を確認できるのでオススメです

アプリのutmパラメータ

?utm_source=app&utm_medium=referral&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=app&utm_medium=referral&&utm_campaign=official_app

QRコードのutmパラメータ

?utm_source=qrcode&utm_medium=referral&utm_campaign=任意の値

(使用例)https://inhouse-plus.jp/?utm_source=qrcode&utm_medium=referral&&utm_campaign=magazine

4. GoogleアナリティクスのURL生成ツールを使ってURLを作成する方法

3. utmパラメータのサンプルURL一覧で紹介したURLを使う以外に、Googleの公式ツールを使ってutmパラメータ付きのURLを作成することもできます。以下に例としてFacebook広告のリマーケティングキャンペーン経由のパフォーマンスを集計する場合のutmパラメータの設定方法をご紹介します。

(1) URL生成ツールを開く

(2) ツールに必要情報を記入する

Googleアナリティクス URL生成ツール
ソース:URL生成ツール

(3) 自動生成されたURLをコピーし入稿します

これが入稿用のURLとなります。

https://inhouse-plus.jp/?utm_source=facebook&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

5. Googleアナリティクスで計測データを確認する方法

さきほど作成したURLをクリックしてGoogleアナリティクスのリアルタイムレポートを見ると、このようにきちんとutmパラメータが機能していることがわかります。

Googleアナリティクス リアルタイムレポート
ソース:Googleアナリティクス>リアルタイム>トラフィックレポート

6. utmパラメータを上手に設定するルール

ルール1:utm_source、utm_medium、utm_campaignは入力必須(再掲)

utm_source、utm_medium、utm_campaignの3つは入力しないと一部のユーザー情報データが取れない可能性があります。その他のutm_termやutm_contentは必要に応じて使いましょう。

ルール2:utm_mediumの値は自由記述せず、ルールに沿って設定しよう(再掲)

Googleアナリティクスは、utm_medium(メディア)の値を元に独自の定義でチャネルをグルーピングします。そのため、utm_mediumの値は自由記述ではなくGoogleの定義したルールに合わせて設定しましょう。もし自由記述したものがルールに沿っていないと以下の例のようにチャネルがその他に分類され、大局的にチャネル管理できなくなります。

ルール3:Website URLに?が含まれる場合は先頭の?を&に変更

例えばWebsite URLがhttps://inhouse-plus.jp/?s=googleのように?が含まれる場合、通常?utm_sourceから始まるパラメータを&utm_sourceに変更する必要があります。?を2回続けるとリンクエラーになるのでご注意ください。(URL生成ツールを使えば自動で変更されます)

正しいURL例:

https://inhouse-plus.jp/?s=google&utm_source=facebook&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

誤ったURL例:

https://inhouse-plus.jp/?s=google?utm_source=facebook&utm_medium=display&utm_campaign=remarketing

ルール4:サイト内リンクには使わない

サイト内リンクにutmパラメータをつけてしまうと、本来の流入元の情報が上書きされてしまい、どこから来たユーザーなのかがわからなくなってしまいます。サイトTOPに掲載するバナーのクリック数を計測するためにutmパラメータをつけているケースがよくあるので、ご注意ください。utmパラメータはサイト外からサイト内への誘導の際に利用してください。

ルール5:日本語を使わず半角英数字のみを使う

日本語を使うと文字化けする可能性があるため、半角英数字を使いましょう。

ルール6:大文字を使わず小文字だけを使う

utmパラメータは大文字と小文字が区別されます。例えば、facebook、Facebook、FaceBookおよびFACEBOOKはすべて別のものとして計測されるため、小文字だけを使いましょう。

ルール7:スペースとハイフンは使わずアンダーバーだけを使う

大文字小文字問題と同じく、2文字以上の文字列をつなげるときも注意が必要です。例えば、summer_sale、summer-sale、summersale、およびsummer saleはすべて別のものとして計測されます。さらに、間にスペースのある「summer sale」はURLでは「summer%20sale」になります。そのため、2文字以上の文字列をつなげる場合は、この場合でいう「summer_sale」のようにアンダーバーに統一するのがオススメです。

最後に:Googleアナリティクスの分析やレポート作成ならインハウスプラス

インハウスプラスでは、誰にでもわかりやすいGoogleアナリティクスのレポートテンプレートをご提供しています。Googleアナリティクスが難しくてどこを見れば分からないといった初心者の方から、クライアントや社内に定期的にレポートを作成する必要のあるプロの方まで1,200社以上のマーケターの方々にご利用いただいております。この機会にぜひご活用ください。