パフォーマンスを大きく改善するための運用型広告の広告効果測定方法

はじめに

この記事では、事業会社のマーケターの方々に対して、広告効果測定の切り口で運用型広告のパフォーマンスを改善するためのポイントをご紹介します。内容は、インハウス運用・広告代理店運用のどちらの方にでも適用できる内容としておりますので、是非ご参考にしてください。

広告効果測定の目的

運用型広告の広告効果測定の目的は測定することそれ自体ではなく、常に最新の状況を正確に把握することで、タイムリーに的確なアクション(運用)を行い、成果を最大化することです。

広告効果測定における現状の課題

このような課題感のある方は、広告効果測定の仕組みを導入し、PDCAの質と量を改善することで、運用型広告の成果を大きく改善することが可能です。

課題1:コンバージョンの定義を間違えている(管理画面のコンバージョンを正としている)

広告の成果を広告媒体の管理画面上のコンバージョン数を正として集計しているが、実際のコンバージョン数との乖離が大きくなってきており、各広告の本当の成果がよく分からない状態になっている。

課題2:報告レポートが形骸化、PDCAサイクルが事実上存在しない

広告の成果は、月に一回、広告代理店が作成している定型レポートを結果報告として確認しているだけで、特に改善アクションにつながるものになっていない。レポートも表面的な数値が羅列しているだけで、そこから改善につながる示唆を生み出すようなものにはなっていない。

課題3:管理画面を見せてもらえず、運用の中身がブラックボックスに

広告代理店に広告媒体の管理画面を見せてもらえず、データが手元になくそもそも詳細を知る手段がない。有力な仮説があった場合、過去データを分析しその仮説の精度を高めた上で的確なアクションを出すことが成果を改善するために非常に重要になるが、それを実現することができない。

課題4:作業負荷が重く、更新頻度が少ない

広告成果の集計も社内で行なっているが、各広告媒体にログインしてデータをダウンロード、それらのデータをスプレットシートへ貼り付け等、人力での作業が煩雑になっており、本来は日次で更新したいが、結果、週次更新となってしまっており、PDCAサイクルが低速になってしまっている。

成果を改善するために押さえるべき広告効果測定のポイント

Point1:各広告の成果は、基本的にラストクリックモデルで計測

ユーザーはオーガニック検索、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など、様々なメディアを経由してコンバージョンに至ることがあります。

広告媒体の管理画面上のコンバージョンを正として集計していると、ユーザーが複数の広告媒体の広告をクリックしてコンバージョンに至った場合、コンバージョンに至るまでに接触した全ての広告媒体の管理画面レポートにそれぞれコンバージョンがカウントされてしまい、正しく計測することができません。

この問題を解決するため、ユーザーがコンバージョンに至るまでに接触した全ての広告ではなく、コンバージョンの直前に接触した広告を評価する分析手法のラストクリックモデルで、広告の成果を計測することが必要です。

Point2:認知に効いている広告もアトリビューション分析を使って評価する

アトリビューション分析とは、ユーザーがコンバージョンに至るまでに接触した各接点にそのコンバージョンの貢献度を割り当てる分析手法です。アトリビューション分析を利用すると、各チャネルがどれだけコンバージョンに貢献しているかをより正確に把握できます。

例えば、ユーザーの多くは、サイトで商品を購入する前に、Googleで検索します。しかし、その商品を知ったのは、ディスプレイ広告やブログかもしれません。アトリビューション分析を利用すれば、それらの認知に貢献したチャネルもきちんと評価することができるようになります。

>Googleアナリティクスでアトリビューション分析を行う方法

Point3:広告の成果は、毎日(最低でも週1)確認し、改善を繰り返す

測定しても、改善アクションを行い、成果を最大化しなければ意味がありません。

運用型広告は特に主要なGoogle広告やFacebook広告においては、機械学習による自動化が進んでいるため、データが一定量溜まり、パフォーマンスも安定した状態で、現状維持で特に問題ないという状態まで持っていければ、毎日改善を行う必要はないかもしれません。

一方、そのような状態が長く続くことは実際はほとんどなく、事業目標の変更により広告目標(予算)を大きく変更する必要が出たり、新しい広告の機能リリースに合わせて設定変更をする必要が出たり、新しい製品/サービスのキャンペーンを始めたり、競合の入札強化により自社の入札戦略を見直す必要が出たりなど、日々変化があります。そして何らかの変化があった場合、実績データがあって初めて高い効果を発揮する機械学習に頼っているだけでは、効果が大きくブレることが多いため、我々が日々広告の成果を細かく管理し、機械に適切な指示を与えることが求められます。

現在は、多くのマーケターの方々が、広告運用を広告代理店に委託していると思います。しかし、この日々の改善業務は広告代理店だけで完結するものではありません。広告代理店側だけでこの業務をやると、数値の裏側にある課題の深掘りが浅いまま、表面的な改善が繰り返され、多くの場合成果につながりません。事業に詳しい事業会社のマーケターの方々と、高い専門性を持つ広告代理店がそれぞれ知恵を出し合うチームでこの業務をやって初めて、的確なPDCAが動き出し、成果が最大化されます。

Point4:管理画面は必ず見せてもらうようにする

広告運用を広告代理店に委託していたとしても、事業会社のマーケター自身が広告媒体の管理画面の情報を最低限理解することは非常に重要です。

上の2の項目にも連動しますが、まず第一に、日々の改善活動を広告代理店だけで行うのと、日々の事業の全体進捗を理解する事業会社のマーケター自身がその活動に加わるのとでは、明らかに成果が違います。

次に、信頼関係です。広告媒体の管理画面にアクセスできないと、事業会社側はどうしても「広告代理店はきちんと運用をやってくれていないのではないか?」といった不信感を抱きがちになり、強いパートナーシップが結べなくなります。また、広告代理店側も緊張感が無くなるでしょう。

最近では透明性を重視し、広告媒体の管理画面をオープンにする広告代理店も増えてきているので、管理画面はどうしても見せられないと言われた場合は、広告代理店を変更しましょう。

Point5:マーケター自身が集計作業をやらない

最後のポイントは、マーケターは課題を特定したり、その課題を解決するための改善アクションを(広告代理店に委託している場合は広告代理店と議論しながら)意思決定したりといった収益に直結する業務に集中し、データ集計などのオペレーションには一切タッチしないということです。

最後に

インハウスプラスでは、事業会社のマーケターの方々に対して、上記ポイントを全て兼ね備えた運用型広告の広告効果測定システムをご提供しています。計測業務がリアルタイムに自動化されることで、運用担当者が改善アクションに集中し、また超高速PDCAを実現することでパフォーマンスが最大化されます。計測に課題感をお感じの方は、是非ご利用くださいませ。

(実際のダッシュボードサンプル)