【テンプレート付】サーチコンソールとGA4で作るSEOレポートの作り方と自動化方法 | 必須項目も丁寧に解説
この記事では、SEOレポートを効率的に作成したい方に向けて、SEOレポートで押さえるべきポイント、サーチコンソールの管理画面を使ったレポート作成方法、SEOレポートを自動化する方法を分かりやすく解説します。
さらに便利なSEOレポートテンプレートもご紹介するので、レポート業務に時間が使えない方はぜひご活用ください。便利なLooker Studio(旧データポータル)のサーチコンソールとGA4の無料コネクタを使えば、以下のような分かりやすいSEOレポートがかんたんに作成できます。
人気テンプレート:クライアントや社内への報告用レポートとして人気のSEOレポートテンプレート
Contents
SEOレポートとは?
SEOレポートとは、SEOの事業貢献度や検索エンジンのパフォーマンスなどをまとめ、クライアントや上司に報告するためのレポートです。
SEOレポートの一番の目的は、「SEOの投資対効果の検証と今後の方針を決定すること」なので、その目的に沿った内容を網羅することが重要です。本記事では、多くの方が利用されているサーチコンソールとGA4で使ったSEOレポートテンプレートも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
SEOレポートで押さえるべきポイント
SEOレポートにどの項目を入れるかはもちろん各社のSEOの目的や戦略によって異なりますが、共通して誰もが確認すべき項目も存在します。ここではそれらのポイントをレポートの種類と項目に分けて解説します。
レポートの種類
- GA4のOrganic Search経由のセッションとコンバージョン:SEO経由のコンバージョンや収益(売上)を確認し、SEOの投資対効果を検証します。
- Googleサーチコンソールの表示回数、クリック数、平均掲載順位:Googleの検索エンジンのパフォーマンスがどのように変化したかを確認します。
- 各KPIの月次推移、日次推移:各KPIが月次と日次でどう推移したかを確認します。
- ターゲットキーワードの順位推移:上位掲載を狙っているターゲットキーワードの平均掲載順位の推移を確認します。
- 順位グループごとのキーワード数推移:SEOの順位をより俯瞰的に把握するために、たとえば上位3位以内に入っているキーワード数など順位グループごとのキーワード数を確認します。ターゲットキーワードが非常に多い場合に有効です。
- 前月比で大きな変動があったキーワード:前月比でクリック数が大きく増加したキーワード、逆に大きく減少したキーワードを確認します。
- 全キーワード一覧、全ページ一覧:SEOに貢献した全キーワードとページの一覧を確認します。
SEOレポートの必須項目として入れたいKPI指標
各レポートのディメンションと指標には、以下の項目を網羅するようにしましょう。
キーワード数
ユーザーの検索結果にサイトへのリンクが表示されたキーワードのユニーク数です。Googleサーチコンソールのデータを元に計算フィールドを使って設定できます。
クリック数
Googleサーチコンソールの「クリック数」です。ユーザーの検索結果にサイトへのリンクが表示されたキーワードのユニーク数です。
表示回数
Googleサーチコンソールの「表示回数」です。ユーザーの検索結果にサイトへのリンクが表示された回数です。
平均CTR
Googleサーチコンソールの「平均CTR」です。表示されたうち、実際にクリックにつながった割合です。
平均掲載順位
Googleサーチコンソールの「平均掲載順位」です。検索結果にサイトが表示されたときのサイトの平均掲載順位です。
セッション数
GA4の「セッション」です。ウェブサイトへの訪問数です。例えば、あるユーザーがウェブサイトに2回訪問した場合セッション数を2とカウントします。
コンバージョン
GA4の「コンバージョン」です。GA4で設定しているコンバージョンイベントの合計です。
キーワード
Googleサーチコンソールの「クエリ」です。ユーザーが検索したキーワードです。
ページ
Googleサーチコンソールの「ページ」です。検索結果に表示されたページです。
データの更新頻度
レポートの項目としてはこれでほとんどの場合十分ですが、単にこれらのデータを羅列するだけでは意味がありません。重要なのはこれらのデータをどう解釈し、どう改善アクションにつなげるかのため、データは毎日更新できるようにしましょう。
サーチコンソールの管理画面を使ったレポート作成方法
1. サーチコンソールにログインする
2. 右上の「エクスポート」をクリックし、以下3つの中から形式を選択
- Googleスプレッドシート
- Excelとしてダウンロード
- CSVをダウンロード
3. データがエクスポートできました!
以下のタブにそれぞれデータが入っていますので、必要に応じてカスタマイズしたら完成です。
- クエリ
- ページ
- 国
- デバイス
- 検索での見え方
- 日付
- フィルタ
SEOレポートの作成を自動化する方法
SEOレポートをクライアントや社内に提出する際には、読み手にとって見やすいフォーマットでレポートを整えることが重要です。
毎回管理画面からデータをダウンロードしてレポートを作成する方法は手間がかかります。そのため、定期的にレポートを作成する必要がある場合は、レポートの自動化を検討しましょう。
これから、SEOレポートの自動化方法と、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
Looker Studio(旧データポータル)
Looker Studioは、さまざまなデータソースと接続し、分かりやすい全自動のレポートが作成できるGoogleが提供する無料のレポート作成ツールです。
メリット
- 無料で見やすいレポートを簡単に作成できること
- Googleが提供する無料のサーチコンソールコネクタでデータ更新を自動化できること
デメリット
- 操作は簡単だがゼロからレポートを作ると一定の時間がかかること
インハウスプラスなら誰でも簡単にSEOレポートを自動化できます
インハウスプラスの【買い切り版】SEO月次レポートテンプレート for Looker Studio(4011)なら、マニュアルを見ながらレポートをコピーするだけ3分でレポートが完成します。
(関連記事)
サーチコンソール×Looker Studio(旧データポータル)の使い方完全ガイド
Googleスプレッドシートのサーチコンソールアドオン「Search Analytics for Sheets」
Googleスプレッドシートのサーチコンソールアドオン「Search Analytics for Sheets」は、無料でサーチコンソールのデータをスプレッドシートに出力できる拡張機能のアドオンです。Looker Studioが登場する前はよく使われていた方法ですが、無料で使えるLooker Studioに移行する方が増えています。またGoogleとしてもLooker Studioの利用を推奨しています。
メリット
- スプレッドシートにサーチコンソールのデータを出力できること
デメリット
- 機能を使いこなすのに時間がかかること
- チャート化ができないため、見やすいレポートが作れないこと
- 読み込みに時間がかかるなどシステムが不安定であること
SEOレポート自動化ツール
SEOレポート自動化ツールは、SEOレポートを自動化してくれるツールです。こちらもLooker Studioが登場する前はよく使われていた方法ですが、無料で使えるLooker Studioに移行する方が増えています。
メリット
- サーチコンソールでは取得できないデータが取得できるなど独自機能があること
デメリット
- ツールを使いこなすのに時間がかかること
- 費用がかかること
便利なSEOレポートテンプレート一覧
これからご紹介するテンプレートはすべてLooker Studioと無料コネクタを使って作成しています。
「サーチコンソール×Looker Studio(旧データポータル)使い方完全ガイド」を参考にしながらご自身でも作成できますし、ゼロから作るのは時間がもったいないと思われる方はテンプレートを購入して自由にカスタマイズしてご利用ください。
表紙
表紙では、クライアント名、レポートの対象月、自分のロゴ、自社名と所属部署を記載します。このテンプレートはロゴ含めてすべて編集可能なので、ご自由にアレンジしてご利用ください。
SEO経由の成果サマリ
GA4のOrganic Search経由のセッションとコンバージョン
一番最初のページは、最も重要なSEOの投資対効果の検証のためのGA4経由のセッションとコンバージョンです。このテンプレートは表紙を除くすべてのページの下部にコメント記入欄を設けているので、サマリとしてこれらのデータをどう解釈するかもあわせて記載しましょう。
なお、投資対効果の検証に関わる重要な項目は、以下の理由からサーチコンソールではなくGA4のデータを使って正しく検証を行うようにしましょう。
- サーチコンソールはGoogle検索のみ、GA4はGoogle検索以外の検索エンジンも含む
- サーチコンソールはクリックをしてページを開く前にブラウザを閉じた場合も計測、GA4は未計測
Googleサーチコンソールの表示回数、クリック数、平均掲載順位
次はSEOのKPIをもっと掘り下げてみましょう。
SEOのKPIは、以下の項目を網羅するようにしましょう。
- キーワード数:ユーザーの検索結果にサイトへのリンクが表示されたキーワードのユニーク数です。Googleサーチコンソールのデータを元に計算フィールドで設定可能です。
- クリック数:Googleサーチコンソールの「クリック数」です。ユーザーの検索結果にサイトへのリンクが表示されたキーワードのユニーク数です。
- 表示回数:Googleサーチコンソールの「表示回数」です。ユーザーの検索結果にサイトへのリンクが表示された回数です。
- 平均掲載順位:Googleサーチコンソールの「平均掲載順位」です。検索結果にサイトが表示されたときのサイトの平均掲載順位です。
各KPIの月次推移、日次推移
各KPIが月次と日次でどう推移したかを確認します。
サンプルではキーワード数をご紹介しましたが、以下のKPIは最低限網羅しましょう。
- キーワード数
- クリック数
- 表示回数
- 平均CTR
- 平均掲載順位
- GA4のオーガニック検索経由セッション
- GA4のオーガニック検索経由コンバージョン
ターゲットキーワードの順位推移
上位掲載を狙っているターゲットキーワードの平均掲載順位の推移を確認します。
SEOでよくある課題は、クリックは増えたけれど全くコンバージョンにつながっていないということです。このようなことにならないように、コンバージョンが見込める優先度の高いキーワードを設定しそのキーワードの順位進捗を計測することが重要です。
尚、ターゲットキーワードは、以下のように設定することを推奨します。
- GA4でオーガニック検索経由のコンバージョンが多いランディングページを確認する
- サーチコンソールで上記ページの検索クエリを確認する
- 上記検索クエリの上位○○位をターゲットキーワードとして設定する
順位グループごとのキーワード数推移
SEOの順位をより俯瞰的に把握するために、たとえば上位3位以内に入っているキーワード数など順位グループごとのキーワード数を確認します。ターゲットキーワードが非常に多い場合に有効です。
前月比で大きな変動があったキーワード
前月比でクリック数が大きく増加したキーワード、逆に大きく減少したキーワードを確認します。
全キーワード一覧、全ページ一覧
SEOに貢献した全キーワードとページの一覧を確認します。キーワードは、サーチコンソールの管理画面では上位1,000位までしか表示されないため、キーワード数の上限がないLooker Studio(旧データポータル)でレポートを作成しましょう。
よくある質問
「サイトのインプレッション」と「URL のインプレッション」の違い
前者はサイト単位で集計、後者はページ単位で集計するため、集計方法に違いがあります。例えば、あるキーワードの検索結果に自社のページが1位から3位に合計3ページ表示され、そのうちの2ページがクリックされた場合、以下のような結果になります。
表示回数 | クリック数 | 平均掲載順位 | |
---|---|---|---|
サイトのインプレッション | 1 | 1 | 1(最上位) |
URLのインプレッション | 3 | 2 | – |
使い分けのルールが曖昧だとデータの信憑性が下がるので、基本ルールは以下が良いと思います。
- 基本は、「サイトのインプレッション」を利用すること
- ページの分析をしたい時のみ、「URLのインプレッション」を利用すること
「サイトのインプレッション」と「URL のインプレッション」のディメンションと指標
「サイトのインプレッション」には、Landing page(ページ)が存在せず、逆に「URLのインプレッション」にはAverage Position(平均掲載順位)が存在しないことに注意しましょう。
「サイトのインプレッション」のディメンション
- Date(日付)
- Device Category(デバイス)
- Country(国)
- Google Property(検索タイプ)
- Query(クエリ)
「サイトのインプレッション」の指標
- Clicks(クリック数)
- Impression(表示回数)
- SiteCTR(平均CTR)
- Average Position(平均掲載順位)※サイトのインプレッションのみの項目
「URLのインプレッション」のディメンション
- Date(日付)
- Device Category(デバイス)
- Country(国)
- Google Property(検索タイプ)
- Query(クエリ)
- Landing page(ページ)※URLのインプレッションのみの項目
「URLのインプレッション」の指標
- Clicks(クリック数)
- Impression(表示回数)
- URL CTR(平均CTR)
検索タイプとは?
検索タイプとは、Googleの検索結果で出てくる検索対象の種類です。さまざまなタイプがありますが、基本はウェブを選択しましょう。
「サイトのインプレッション」と「URL のインプレッション」の検索タイプ
「サイトのインプレッション」の検索タイプ
- ウェブ
- 画像
- 動画
- 最新の音楽
「URLのインプレッション」の検索タイプ
- ウェブ
- 画像
- 動画
- 最新の音楽
- おすすめ
- Google ニュース
すべての検索クエリを確認する方法
以下の手順でLooker StudioからGoogleスプレッドシートにエクスポートする方法が便利なのでぜひお試しください。
手順1
図の右上にある︙(縦3点リーダー)を選択する
手順2
エクスポートを選択する
手順3
形式を「Googleスプレッドシート」、「値の書式に合わせる」にチェックボックスを入れて、「エクスポート」を選択する
これで以下のようにGoogleスプレッドシートにデータがエクスポートされたら完成です。
(関連記事)
[Looker Studio] グラフからデータをGoogleスプレッドシートやCSV(エクセル)でエクスポートする方法
計算フィールドを使って検索クエリ数を表示する方法
ユニーク数をカウントするCOUNT_DISTINCT関数を使って計算フィールドを作成することで、検索クエリ数(キーワード数)が表示できるようになります。
COUNT_DISTINCT(Query)
導入社数2,000社突破!Looker Studio(旧データポータル)を活用するならインハウスプラス
インハウスプラスは、様々なニーズに対応するカスタマイズ可能なLooker Studioのレポートテンプレートを豊富にご用意しています。レポート作成を自動化したいけれどゼロから自分でレポートを作成するのが難しい方は、インハウスプラスを使って時間を有効活用しましょう。
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DeNAのデジタルマーケティング責任者として年間450億円を超えるECプラットフォームのマーケティングを担当。2014年に独立し、上場企業から資金調達後のスタートアップまで様々な企業のデジタルマーケティングのプロジェクトに関わり見識を広げた後、2018年3月に株式会社CALLOSUMを創業。