AIエージェントの作り方|5ステップとツール選び・自動化事例

AIエージェントの作り方|5ステップとツール選び・自動化事例

AIエージェントとは、目的を与えると自分で手順を判断し、ツールやデータを使ってタスクを最後まで実行するAIの仕組みです。その「作り方」は、コードを書かずにツールで組み立てるノーコードの方法から、Pythonで本格的に構築する方法まで幅があり、どれを選ぶかは目的と社内のリソースで変わります。

この記事では、ノーコードと開発のどちらにも共通する基本の5ステップを軸に、初心者向けのツール別の作り方、Pythonでの本格構築、そして広告運用やレポート作成といった実務をAIエージェントで自動化する実例までを一気通貫で解説します。さらに、多くの記事が触れない「自分(自社)でどこまで作れるか」「どこから開発代行に任せるべきか」の判断軸まで踏み込みます。

読み終えるころには、作り方の全体像と難易度・費用感がつかめ、「まず無料ツールで小さく試す」のか「最初から外注する」のかを、自信を持って決められるようになります。なお、広告データをAIで分析・自動化する仕組みについては、土台となる技術を解説した「Claude MCPとは何か・仕組みと活用法」もあわせて参考にしてください。

この記事でわかること

  • AIエージェントの作り方は「ノーコード型」と「開発型」の2系統。どちらも共通の5ステップで作れる
  • ノーコードでいま最も有力なのはClaude CodeとClaude Cowork。GPTs・Difyなどは無料枠から試せる
  • 広告データ分析など専門業務は、MCPでBigQueryにつなぐとSQLなしで分析〜レポートまで自動化できる
  • 「自作するか、開発代行に任せるか」は社内リソース・自動化の範囲・スピードの3軸で判断する

AIエージェントとは?作り方の前に押さえる基本

結論

AIエージェントとは、目的を与えると自分でタスクを分解し、ツールやデータを呼び出して実行まで自走するAIです。指示のたびに人が操作する生成AIチャットや、決められた応答を返すチャットボットとは「自律的に動く」点で大きく異なります。作り方を学ぶ前に、この違いと、エージェントを構成する要素を押さえておきましょう。

AIエージェントと生成AI・チャットボットの違い

「AIエージェント」「生成AI」「チャットボット」は混同されがちですが、自律性とタスクを実行できる範囲が異なります。なかでもAIエージェントは、目的を与えるだけで自分でタスクを分解し、ツールやデータを使って実行まで自走する点が最大の特徴です。違いを整理すると次のとおりです。

項目チャットボット生成AI(ChatGPT等)AIエージェント
動き方決められたルール・シナリオで応答指示に対して文章や画像を生成目的に向けて自分でタスクを分解・実行
自律性低い(想定外の質問に弱い)中(毎回、人が指示する)高い(自分で手順を判断して自走)
外部ツール・データ連携限定的基本は単発の生成のみツール・データ・APIを呼び出して操作
代表的な使い方定型のFAQ対応文章作成・要約・アイデア出し調査→集計→レポート作成までの一連の自動化

ポイントは、生成AIが「聞かれたことに答える」のに対し、AIエージェントは「目的を達成するために自分で動く」ことです。たとえば「先月の広告レポートを作って」と依頼したとき、生成AIは文章のひな型を返すだけですが、AIエージェントはデータを取得し、集計し、レポート形式にまとめるところまでを自分で進めます。

AIエージェントを構成する4つの要素

AIエージェントは、おおむね次の4つの要素で成り立っています。作り方を理解するうえでの土台になるので、先にイメージをつかんでおきましょう。

  • 頭脳(LLM):ChatGPTやClaude、Geminiなどの大規模言語モデル。指示を理解し、次に何をすべきかを判断します。
  • 記憶(メモリ):過去のやり取りや作業の経過を覚えておく仕組み。長いタスクでも文脈を保てます。
  • ツール連携:検索・データベース・API・社内データなど、外部の道具を呼び出して使う機能。ここで使われるのがRAG(外部知識を参照する仕組み)やMCP(AIと外部データを安全につなぐ規格)です。
  • プランニング(計画):目的を小さなタスクに分解し、順番に実行・修正していく能力。これが「自律的に動く」エージェントらしさの正体です。

この4要素のうち、頭脳となるLLMとツール連携をどう用意するかで、作り方が「ノーコード型」と「開発型」に分かれます。次の章で、その2つの選択肢を見ていきましょう。

AIエージェントの作り方は大きく2種類(ノーコード型/開発型)

結論

AIエージェントの作り方は、「ノーコード型(ツールで組む・初心者向け)」と「開発型(Pythonなどでコードを書く・上級者向け)」の2系統に分けられます。手軽さとスピードを重視するならノーコード型、自由度と拡張性を重視するなら開発型を選ぶのが基本です。まずは自分のケースがどちらに向くかを切り分けましょう。

ノーコード型(手軽・短期間・初心者向け)

ノーコード型は、コードを書かずに、ツールへの自然言語の指示や画面操作だけでエージェントを組み立てる方法です。プログラミングの知識がなくても始められ、早ければ数十分で動くものが作れます。

いま、このノーコード型で最も有力な選択肢になっているのが、AnthropicのClaude CodeとClaude Coworkです。

  • Claude Code:もともとは開発者向けのツールですが、自然言語での指示からファイル操作やデータ処理、カスタムエージェントの構築までこなせる汎用性の高さから、いま最も有力な選択肢になっています。コードを書かなくても、やりたいことを言葉で伝えるだけで作り込みができ、エンジニアでなくても用途が定まっていれば十分に活用できます。
  • Claude Cowork:非エンジニア向けの業務自動化ツール。月次スライド資料の作成、クリエイティブ制作、ファイル管理・タスクの自動化などを、日本語で依頼するだけで進められます。「ツールの設定画面を組む」というより、やりたいことを言葉で伝えてエージェント化していくイメージで、ノーコードでありながら自由度が高いのが特長です。

これらに加えて、用途や既存環境に応じて次のツールも候補になります。

  • ChatGPT(GPTs):ChatGPT上で指示や知識ファイルを設定するだけで専用エージェントを作れる、最も手軽な入口
  • Dify:ノーコードながらワークフローやRAGを細かく組める、拡張性の高い選択肢
  • Microsoft Copilot Studio/Gemini Gems:Microsoft 365やGoogle Workspaceなど、既存の業務環境に合わせて選ぶ選択肢

ノーコード型が向いているのは、次のようなケースです。

  • プログラミング経験がない、または社内にエンジニアがいない
  • まずは小さく試して、効果を確かめてから広げたい
  • 問い合わせ対応、議事録要約、資料作成、定型レポートのたたき台づくりなど、用途がはっきりしている

一方で、ツールの機能や料金プランの範囲内でしか作れない、社内システムとの深い連携や大規模なデータ処理には作り込みが必要になる、といった制約もあります。具体的なツールごとの作り方は、後半の「初心者向けAIエージェントの作り方(ツール別)」で解説します。

開発型(自由度・拡張性・上級者向け)

開発型は、PythonとLangChainやLangGraphなどのフレームワークを使い、LLM・ツール・記憶・実行の流れを自前で組み上げる方法です。設計の自由度が高く、社内システムや独自データとの細かい連携、複雑な業務フローの自動化まで実現できます。

向いているのは、次のようなケースです。

  • 社内に開発リソースがある、または外部の開発会社と組める
  • 既存システムや独自データベースと深く連携させたい
  • 自社固有の複雑な業務を、細部までエージェントに任せたい

その分、設計・実装・保守の負担は大きく、動かし続けるための運用体制も必要になります。

どちらを選ぶ?判断フロー

迷ったときは、次の順に考えると選びやすくなります。

  1. 社内にエンジニア(開発リソース)はいるか → いなければノーコード型が現実的
  2. 用途は定型的か、複雑か → 定型ならノーコード型、複雑・大規模なら開発型
  3. まず試したいか、本番運用までやりたいか → 検証段階ならノーコード型で小さく、本番の作り込みが必要なら開発型

両者の違いを一覧にすると次のとおりです。

項目ノーコード型開発型(Python等)
必要スキルほぼ不要(ツール操作のみ)プログラミング・設計知識が必要
作成スピード速い(数十分〜数日)遅い(数週間〜)
初期コスト無料枠〜月数千円人件費・開発工数が中心
自由度・拡張性ツールの機能範囲に依存高い(自由に設計可能)
向いている用途定型業務・PoC・小規模複雑な業務・システム連携・大規模
保守の負担小さい大きい

なお、「ノーコードで手軽に」と「開発でがっちり」の中間として、広告データの分析・レポート作成のような専門業務を、既存の連携基盤を使って自動化する選択肢もあります。これは後半の「広告・マーケ業務を自動化するAIエージェントの作り方」で詳しく取り上げます。次の章では、どちらの作り方にも共通する基本の5ステップを見ていきましょう。

【共通5ステップ】AIエージェントの作り方の基本手順

結論

AIエージェントは、ノーコード・開発のどちらで作る場合も「①目的・タスクを定義 → ②使うLLM・ツールを選ぶ → ③知識・データを接続する → ④動作をテスト・調整する → ⑤運用しながら改善する」の5ステップで作ります。最重要は①の目的定義で、ここが曖昧だと「作ったけれど使われないエージェント」になりがちです。

ツールやプログラミング言語が違っても、考える順番は共通です。それぞれのステップで何をするか、そして初心者がつまずきやすいポイントを見ていきましょう。

STEP1:目的・自動化したいタスクを定義する

最初に、「誰の」「どの業務を」「どこまで自動化したいか」を具体的に決めます。ここがすべての土台です。

たとえば「広告レポートを自動化したい」では曖昧すぎます。「広告運用担当者の、毎週月曜の週次レポート作成を、データ集計からSlack共有まで自動化したい」まで具体化すると、必要なデータも使うツールも自然と決まってきます。

つまずきポイント:いきなり「なんでもできるエージェント」を目指すと、要件がぶれて完成しません。まずは1つの定型タスクに絞り、入力(何を渡すか)と出力(何が返ってくれば成功か)をはっきりさせることが、失敗しないコツです。

STEP2:使うLLM・ツールを選ぶ

次に、エージェントの頭脳となるLLMと、作るための土台となるツールを選びます。

  • LLM:ChatGPT(GPT系)、Claude、Geminiなどから選びます。文章生成やアイデア出しが中心ならどれでも実用的で、長い文脈の処理や厳密な作業にはClaudeが強い、といった得意分野の違いがあります。
  • 作り方の土台:前章のとおり、ノーコードならClaude CodeやClaude Cowork、GPTs、Difyなど。開発型ならPython+フレームワークです。

この段階では、STEP1で決めた目的に対して「過剰なツールを選ばない」ことが大切です。週次レポートの自動化に大規模な開発フレームワークは不要で、まずはノーコードで十分なケースがほとんどです。

STEP3:知識・データを接続する(RAG・MCP・API)

エージェントが役に立つかどうかは、「自社のデータや知識をどれだけ正確に参照できるか」で決まります。LLMは単体では自社の情報を知らないため、外部の知識やデータをつなぐ必要があります。主な方法は次の3つです。

  • RAG(検索拡張生成):社内マニュアルやFAQなどの文書を読み込ませ、質問に応じて該当箇所を参照させる方法。問い合わせ対応エージェントなどで使われます。
  • MCP(Model Context Protocol):AIと外部データ・ツールを安全につなぐための共通規格。たとえばデータベースに接続すれば、SQLを書かなくても自然言語でデータを集計・分析できます。
  • API連携:広告媒体や各種SaaSのAPIを通じて、最新のデータを取得・操作する方法。

広告データやアクセス解析データのように、量が多く構造化されたデータを扱うなら、MCPを使ってデータベース(BigQueryなど)に接続する方法が有力です。仕組みの詳細は「MCPでBigQueryのデータをSQLなしで扱う方法」で解説しています。

つまずきポイント:データ接続の設計が甘いと、エージェントが古い情報や誤ったデータを参照し、もっともらしい誤答(ハルシネーション)の原因になります。どのデータを正とするか、権限をどう設定するかを、作り始める前に決めておきましょう。

STEP4:動作をテスト・調整する

エージェントができたら、実際の業務を想定した入力でテストします。期待どおりに動くか、誤った出力を返さないかを確認し、指示文(プロンプト)やデータの参照範囲を調整していきます。

ここで効くのが、STEP1で決めた「何が返ってくれば成功か」という基準です。基準があいまいだと「なんとなく良さそう」で止まってしまい、本番で精度不足が発覚します。代表的なケースをいくつか用意して、合格ラインを満たすまで調整するのがポイントです。

STEP5:運用しながら改善する

AIエージェントは「作って終わり」ではありません。実務で使いながら、うまくいかなかったケースを集めて指示文やデータを改善し、少しずつ精度と対応範囲を広げていきます。

媒体の仕様変更やデータ構造の変化に追従するメンテナンスも必要です。最初から完璧を目指さず、小さく作って動かし、運用の中で育てていく前提で設計すると、結果的に早く実用レベルに到達できます。

この5ステップを踏まえて、次の章からは具体的な作り方を、ノーコード・開発・実務での自動化の順に見ていきます。

【ノーコード】初心者向けAIエージェントの作り方(ツール別)

結論

ノーコードでの作り方は、いまClaude Code(自然言語で作り込みができ汎用性が高い・最有力)Claude Cowork(非エンジニア向けの業務自動化)が最も有力です。加えて、手軽さ重視ならChatGPTのGPTs、拡張性重視ならDify、既存の業務環境に合わせるならCopilot StudioやGemini Gemsが選べます。多くは無料枠から試せるので、まずは1つ小さなエージェントを作ってみましょう。

主要ツールの位置づけを整理すると次のとおりです。

ツール提供元得意分野難易度料金の目安
Claude CodeAnthropic自然言語で幅広い作業・データ処理・カスタムエージェント構築中(言葉で指示すれば可)有料プラン中心(一部無料枠)
Claude CoworkAnthropic非エンジニアの業務自動化(資料作成・タスク自動化)有料プラン中心
ChatGPT(GPTs)OpenAI手軽な専用チャットエージェント無料枠あり/有料で機能拡張
DifyDifyワークフロー・RAGを組んだ本格エージェント無料枠あり/有料
Copilot StudioMicrosoftMicrosoft 365連携の社内エージェント有料中心
Gemini GemsGoogleGoogle Workspace連携の専用アシスタント無料枠あり/有料

※料金・無料枠は各社の改定で変わるため、導入前に公式サイトで最新の条件を確認してください。

Claude Codeで作る(自然言語で作り込み・最有力)

Claude Codeは名前こそ「Code」ですが、やりたいことを日本語で伝えるだけで、ファイル操作・データ処理・繰り返し作業の自動化までこなせます。コードの知識が浅くても、目的さえ明確なら実用的なエージェントを組めるため、いま最も汎用性が高い選択肢です。

おおまかな作り方は次の流れです(共通5ステップに沿っています)。

  1. やりたいタスクと、扱うデータ・ファイルを伝える(例:「このフォルダのCSVを集計して月次レポートにまとめて」)
  2. 必要なデータソースやツールへの接続を指示する
  3. 出力フォーマット(Markdown、スライド、Slack投稿用など)を指定する
  4. 実際のデータで試し、出力を見ながら指示を微調整する
  5. 繰り返し使う手順は定型化し、毎回同じ品質で再実行できるようにする

データベースと連携して定型業務を回したい場合は、後述のMCP連携と組み合わせると一気に実用度が上がります。

Claude Coworkで作る(非エンジニア向けの業務自動化)

Claude Coworkは、非エンジニアの業務自動化に特化したツールです。月次スライド資料の作成、クリエイティブ制作、ファイル管理・タスクの自動化などを、画面上で日本語で依頼しながら進められます。

「設定画面でフローを組む」というより、「やりたいことを言葉で伝えてエージェントに育てていく」感覚で使えるため、プログラミングに不安がある担当者でも始めやすいのが利点です。資料作成や定型業務の自動化から入りたい場合の第一候補になります。

ChatGPT(GPTs)/Difyで作る

  • ChatGPT(GPTs):ChatGPTの画面で、役割の指示文と参照させたい知識ファイルを設定するだけで、専用のチャットエージェントを作れます。最も手軽な入口で、社内FAQ対応やライティング補助などにすぐ使えます。
  • Dify:ノーコードながら、処理の分岐やRAG(社内文書の参照)を視覚的に組み込めるツールです。GPTsより一歩踏み込んだ、業務フロー寄りのエージェントを作りたいときに向きます。

Microsoft Copilot Studio/Gemini Gemsで作る

すでに業務で使っているツール環境に合わせて選ぶのも有効です。Microsoft 365を使っているならCopilot Studioで社内データと連携したエージェントを、Google Workspace中心ならGemini Gemsで専用アシスタントを作れます。普段の業務データと近い場所で動かせるため、定着しやすいのがメリットです。

無料で試すときの注意点

多くのツールには無料枠がありますが、無料のまま本番運用に乗せるのは要注意です。

  • 無料枠では利用回数・データ量・連携できる機能に制限があることが多い
  • 機密データを外部ツールに入れる前に、社内のセキュリティ・データ取り扱いルールを確認する
  • 「個人で試す」段階と「会社の業務で使う」段階では、求められる精度・権限管理・コスト管理の水準が変わる

まずは無料枠で小さく検証し、効果が見えたら有料プランや本格的な仕組みへ広げる、という進め方が安全です。なお、ここで紹介したClaude Code・Claude Coworkは、後半で取り上げる広告データ分析の自動化でも基盤として活用できます。土台となる連携の仕組みは「Claude MCPとは何か・仕組みと活用法」で確認できます。

【コード】Pythonで本格的にAIエージェントを作る方法

結論

自由度高く本格的に作るなら、PythonとLangChain・LangGraphなどのフレームワークを使い、LLM・ツール・記憶・実行ループを自前で組み上げます。社内システムや独自データとの深い連携、複雑な業務フローまで実現できる反面、設計・実装・保守の負担は大きいため、目的が明確で開発リソースがある場合に向いた方法です。

ここでは、コードの詳細ではなく「本格開発の全体像」をつかむことを目的に解説します。

必要なもの(言語・フレームワーク・APIキー)

開発型でAIエージェントを作るには、おおむね次のものを用意します。

  • プログラミング言語:AIエージェント開発ではPythonが事実上の標準です
  • フレームワーク:LangChain、LangGraph、LlamaIndex など。エージェントの実行ループやツール連携、記憶管理を効率よく組むための土台になります
  • LLMのAPIキー:Claude(Anthropic)、GPT(OpenAI)、Gemini(Google)などのAPI利用キー
  • データ接続の仕組み:RAG用のベクトルデータベース、社内データへのMCP接続やAPIなど

構築の流れ(共通5ステップに対応)

開発型でも、考える順番は前述の共通5ステップと同じです。コードで実装する点が違うだけです。

  1. 目的・タスクを定義:自動化する業務と入出力を決める(STEP1)
  2. LLM・フレームワークを選定:用途に合うモデルとフレームワークを選ぶ(STEP2)
  3. ツール・データを接続:検索・データベース・API・RAGを実装してつなぐ(STEP3)
  4. エージェントのループを実装・テスト:「考える→ツールを使う→結果を評価する」を繰り返す処理を組み、テストする(STEP4)
  5. 評価・改善・運用:精度を測りながら改善し、運用に乗せる(STEP5)

自作(開発型)のメリット・デメリット

開発型は強力ですが、向き不向きがあります。

  • メリット:設計の自由度が高い/既存システムや独自データと深く連携できる/複雑・大規模な業務にも対応できる
  • デメリット:開発・保守に専門人材と工数が必要/完成までの期間が長い/LLMの仕様変更やデータ構造の変化への追従が継続的に発生する

「自由度は欲しいが、ゼロから全部は作りたくない」という場合は、前章のClaude Codeのように自然言語で作り込めるツールや、データ連携部分だけ既存の基盤を使う方法が現実的です。とくに広告データの分析・レポート作成のような専門業務は、フルスクラッチで開発するより、整備済みの連携基盤を活用したほうが早く確実に動かせます。次の章で、その具体例を見ていきましょう。

【実例】広告・マーケ業務を自動化するAIエージェントの作り方

結論

広告運用やレポート作成といった実務も、AIエージェントで自動化できます。たとえば Claude(Chat / Cowork / Code)と BigQuery を MCP で連携すれば、「先月のCPAは?」「悪化キャンペーンTop3と改善案を出して」といった日本語の依頼から、データ集計・分析・レポート作成までをSQLを書かずに進められます。ここでは、インハウスプラスが実際に提供している連携基盤を例に、専門業務向けエージェントの作り方を具体的に見ていきます。

広告データ分析エージェントの作り方(目的→データ接続→プロンプト)

専門業務のエージェントも、共通5ステップの考え方は同じです。広告データ分析を例にすると、次のように組み立てます。

  1. 目的の定義:「広告運用担当者が、媒体横断のKPIを毎週把握し、悪化要因と改善案までを受け取れる状態」をゴールに設定する
  2. データの接続:Google広告・Meta広告・Yahoo!広告などのデータをBigQueryに集約し、MCP経由でClaudeから参照できるようにする
  3. 指示(プロンプト)の設計:分析の観点と出力フォーマットを言葉で指定する
  4. テスト・調整:実データで出力を確認し、見たい指標や粒度に合わせて指示を整える
  5. 運用・改善:週次・月次で回しながら、依頼文やレポート構成を磨く

このうち難所になりやすいのが、STEP3の「大量の広告データをどう安全に・正確につなぐか」です。媒体ごとにAPIの仕様もデータ構造も異なるため、ここを自前で整えるには相応の工数がかかります。インハウスプラスでは、このClaude × BigQueryの連携基盤の構築・運用までを提供しており、利用者は整った土台の上で分析や自動化を組み立てられます。仕組みの詳細は「MCPでBigQueryのデータをSQLなしで扱う方法」で解説しています。

実際の依頼例と出力

連携基盤が整っていれば、SQLを書かずに自然言語の依頼でさまざまな分析ができます。実際に使える依頼の例を挙げます。

  • KPI分析:「先月のCPAを出して」「前年同月比のCV推移を見せて」「プラットフォーム別の効率を比較して」
  • 異常検知・示唆:「悪化キャンペーンTop3と改善案を出して」「P-MAXのCV減の原因を調べて」
  • ドリルダウン:「キーワード別のCVを出して」「年代×性別のCPAを見せて」「時間帯×曜日のヒートマップを作って」
  • クリエイティブ示唆:「勝ち見出しを抽出して」「除外キーワード候補を出して」

実際に「先月の媒体別の実績を出して」と日本語で依頼すると、次のように媒体別のKPI(費用・クリック・CV・CPAなど)が表とサマリーで返ってきます。

たとえば「悪化キャンペーンTop3と改善案を出して」と依頼すると、次のようなアウトプットが返ってきます。

想定されるアウトプット例

  1. キャンペーンA:CPAが前月比+38%(¥8,200→¥11,300)。原因は競合の入札強化とみられ、除外キーワードの追加と入札上限の見直しを提案
  2. キャンペーンB:CVRが0.8%まで低下。LPの直帰率上昇が要因。フォーム改善とLPテストを提案
  3. キャンペーンC:表示回数シェアが損失(予算不足12%)。日予算の再配分を提案

分析できる切り口も、媒体・チャネル(検索/ディスプレイ/P-MAX など)、キーワード、広告クリエイティブ、年代・性別・地域、デバイス、時間帯・曜日まで幅広く、CPA・ROAS・CTR・CVRといった指標を前期比・前年同月比で比較できます。「あらゆる切り口で広告データを深掘りできる」のが、専門業務向けエージェントの強みです。

レポート作成・スライド化まで自動化する

AIエージェントの価値は、分析だけでなく「その先のアウトプットまで自動化できる」点にあります。Claude(Chat / Cowork / Code)の連携環境では、分析結果を次のような形に変換できます。

  • 週次/月次レポート:Markdown形式でまとめる
  • 経営会議向け資料:KPI・トレンド・媒体ミックス・改善案などを含むPowerPoint資料に整える
  • Slack共有:要点を絞った投稿用テキストにして共有する

同じ対話の分析結果を、用途に合わせて次のように整形できます。

ここで役割を整理しておくと、インハウスプラスが提供するのは「Claude × BigQueryの連携基盤の構築・運用」までです。連携した後、どんな分析をするか・どんな資料を自動生成するかは、利用者がChat / Cowork / Code を使い分けて自由に構築します。用途ごとの使い分けは次のとおりです。

製品主な用途
Claude Chat対話型の深掘り分析「なぜCPAが上がった?」「改善施策は?」
Claude Cowork非エンジニアの業務自動化月次スライド資料の作成、クリエイティブ制作
Claude Code開発・実装カスタムエージェント構築、分析処理の自動化

広告レポートの「考察」をAIで自動生成する具体例は、「AIで広告レポートの考察を自動生成する方法」でより詳しく紹介しています。広告運用とAIを組み合わせた全体像は「広告運用×AIで分析・自動化する全体像」も参考にしてください。

広告データを自然言語で分析するAIエージェントを、自社でも

広告データ分析エージェントの土台となるClaude × BigQueryの連携基盤は、インハウスプラスが構築・運用までご用意します。Claude MCP連携サービスはサブスク型のStandardプラン以上(月額14,800円〜・税込/BigQuery費用も込み)で利用でき、SQLなしで分析〜レポート作成・クリエイティブ制作までChat/Cowork/Codeを使い分けて自由に構築可能。閲覧権限の付与だけで最短1営業日、33媒体以上に対応します。3,000社以上の導入実績を持つインハウスプラスの機能です(連携後の分析・自動化はお客様側で構築いただく形です)。

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AIエージェント作りで失敗しないための注意点

結論

AIエージェント作りでよくある失敗は、「目的が曖昧でPoC止まりになる」「データ連携・権限設計の詰めが甘い」「ハルシネーション対策が不足する」「コストの想定が漏れる」の4つです。小さく作って検証し、データと評価の仕組みを先に整えることが、失敗を避ける近道になります。

レポーティング自動化の支援を通じて見えてきた、つまずきやすいポイントと回避策を紹介します。

目的が曖昧で「使われないエージェント」になる

最も多い失敗が、目的を決めきらないまま作り始めて、完成しても誰も使わないケースです。「とりあえずAIで何かできないか」から入ると、機能が散らかり、現場の業務に乗りません。

回避策:STEP1の目的定義に時間をかけ、1つの定型業務に絞って「入力」と「成功の基準」を明確にします。小さく作って成果を見せ、そこから対象業務を広げると定着しやすくなります。

データ連携・権限・セキュリティの落とし穴

エージェントの実力は、参照するデータの質と正確さで決まります。データ連携の設計が甘いと、古い情報や誤ったデータをもとに回答してしまいます。また、社内データを外部のAIツールに渡す際は、アクセス権限やセキュリティの設計も欠かせません。

回避策:どのデータを正とするか、誰が・どこまでアクセスできるかを、作り始める前に決めておきます。広告データのように大量・構造化されたデータは、自前でつなぐより整備済みの連携基盤を使うほうが、正確性も安全性も担保しやすくなります。

ハルシネーションとコストの管理

AIは、もっともらしい誤り(ハルシネーション)を返すことがあります。数値やデータに関わる業務では、これが致命的になりかねません。また、利用量に応じてLLMやデータ処理のコストが膨らむ点も見落とされがちです。

回避策:重要な数値は元データと突き合わせて検証できる仕組みにし、最初は人がレビューする運用から始めます。コストは、無料枠や小規模なプランで検証してから本格運用に移し、想定利用量に対する費用を事前に見積もっておきましょう。

これらの注意点を踏まえると、「自分たちでどこまで作り、どこからプロに任せるか」という判断が重要になります。次の章で、その判断軸を整理します。

自作するか、開発代行に任せるか?判断の3軸

結論

自作と開発代行のどちらを選ぶかは、「①社内の技術リソース ②求める自動化の範囲・複雑さ ③スピードと運用保守の負担」の3軸で判断します。小規模で定型的な業務はノーコードでの自作、広告データ×GA4などの統合分析や業務フロー全体の自動化は開発代行が現実的です。

自作が向いているケース

次のような場合は、まず自分(自社)で作るのが向いています。

  • 自動化したい業務が定型的で、範囲がはっきりしている
  • 問い合わせ対応・議事録要約・資料のたたき台づくりなど、ノーコードツールで対応できる
  • まずは小さく試して、効果を確かめてから判断したい
  • 社内にツールを使いこなせる担当者がいる

この場合は、Claude CodeやClaude Cowork、GPTsなどで小さく作り、運用しながら育てていく進め方が低リスクです。

開発代行が向いているケース

一方、次のような場合は開発代行(プロへの依頼)が現実的です。

  • 複数のデータソースを統合した分析(広告データ × GA4 × サーチコンソールなど)を自動化したい
  • 月次レポートやスライド資料の作成を、業務フロー全体として完全自動化したい
  • 社内に開発リソースがなく、作り込みや保守に手が回らない
  • 早く・確実に本番運用まで持っていきたい

判断のめやすを一覧にすると次のとおりです。

判断軸自作が向く開発代行が向く
社内の技術リソースある/ツールを使える担当者がいるない/本業に集中したい
自動化の範囲・複雑さ単一・定型業務複数データの統合・業務フロー全体
スピードと保守検証段階で時間をかけられる早く確実に本番運用したい
コストの考え方工数を自社で吸収できる専門人材の採用より外注が合理的

インハウスプラスの選択肢(連携基盤+開発代行)

インハウスプラスでは、この2つを切り分けて使えます。広告データの分析・レポート自動化の土台となる「Claude × BigQueryの連携基盤」は当社が構築・運用までご用意し、その上での分析や自動化はお客様側で自由に組み立てられます。

そして、「連携後の分析エージェントやスライド自動生成の構築まで任せたい」という場合は、AIエージェント開発代行で個別に対応します。レポーティング自動化の案件を多数手がけており、お客様の業務要件に合わせて、月次レポート作成の完全自動化や、広告データ×GA4×サーチコンソールを統合した分析エージェントなどを設計・実装できます。

連携基盤はおまかせ、構築まで任せたいなら開発代行も

Claude × BigQueryの連携基盤の構築・運用はインハウスプラスが代行します(サブスク型Standardプラン以上/月額14,800円〜・税込・BigQuery費用込み・最短1営業日)。整った土台の上で、Chat/Cowork/Codeを使い分けて分析から実行まで自由に構築できます。連携後の分析エージェントやスライド自動生成の構築までまとめて依頼したい方は、AIエージェント開発代行(レポーティング自動化案件を多数対応・個別見積もり)もご検討ください。

Claude MCP連携サービスの詳細を見る

まとめ|AIエージェントの作り方は「小さく作って育てる」

AIエージェントの作り方は、ノーコード型と開発型の2系統に分かれますが、どちらも「①目的を定義 → ②LLM・ツールを選ぶ → ③データを接続 → ④テスト・調整 → ⑤運用・改善」という共通の5ステップで作れます。最も大切なのは最初の目的定義で、1つの定型業務に絞って小さく作り、運用しながら育てていくのが成功の近道です。

進め方の指針を、改めて整理します。

  • まず無料ツールで小さく試す:いま最も有力なのはClaude CodeとClaude Cowork。GPTsやDifyも無料枠から始められます
  • 広告・データ分析の自動化は連携基盤を活用する:大量の広告データはMCPでBigQueryにつなぐと、SQLなしで分析〜レポートまで自動化できます
  • 作り込みまで任せたいなら開発代行に相談する:統合分析や業務フロー全体の自動化は、プロに任せたほうが早く確実です

「自分でどこまで作り、どこから任せるか」を見極めながら、自社の業務に効くエージェントを育てていきましょう。AIエージェントの土台となる仕組みは「Claude MCP総合ガイド」でも詳しく解説しています。

まずは小さく、確実に自動化を始める

広告レポートの作成・分析を自動化したいなら、インハウスプラスのWeb広告レポート自動化ツールが入口です。月額4,980円〜・追加費用なし(BigQuery費用も負担)。Standardプラン以上ではClaude MCP連携サービスが使え、SQLなしで広告データを自然言語で分析・レポート化できます。閲覧権限の付与だけで最短1営業日、33媒体以上に対応・3,000社以上の導入実績・Webアナリスト小川卓氏監修。

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よくある質問(FAQ)

AIエージェントは初心者でも作れますか?

作れます。ChatGPTのGPTsやClaude Cowork、Difyなどのノーコードツールを使えば、コードを書かずに簡単なエージェントを無料枠から作成できます。まずは1つの定型タスクに絞って作るのがおすすめです。

AIエージェントを作るのに費用はどれくらいかかりますか?

ノーコードツールは無料枠〜月数千円から試せます。広告データを自然言語で分析するClaude MCP連携サービスを使う場合は、サブスク型ツールのStandardプラン以上(月額14,800円〜・税込・1アカウント消費)が対象です。さらに自社専用の作り込みまで任せたい場合は、AIエージェント開発代行(個別見積もり)が選択肢になります。

AIエージェントとChatGPTなどの生成AIは何が違いますか?

生成AIは指示のたびに人が操作しますが、AIエージェントは目的を与えると自分でタスクを分解し、ツールやデータを使って実行まで自走する点が違います。

広告運用やレポート作成もAIエージェントで自動化できますか?

できます。Claude × BigQuery(MCP連携)の環境があれば、「先月のCPAは?」「悪化キャンペーンTop3と改善案を出して」といった日本語の依頼から、分析〜レポート(Markdown/PowerPoint/Slack)までを自動化できます。

自作と開発代行はどちらを選ぶべきですか?

社内の技術リソース・自動化の範囲・スピードの3軸で判断します。小規模・定型業務はノーコードでの自作、広告データ×GA4の統合分析や業務フロー全体の自動化は開発代行が現実的です。