[Looker Studio] CASE関数の使い方と活用例 | 計算フィールド
この記事では、Looker StudioおけるCASE関数の使い方とその具体的な活用例についてわかりやすく解説します。Looker Studioで利用できる関数を活用して、データを加工し可視化しましょう。
GA4(Googleアナリティクス4)のデータ加工についてはBig Queryを利用しなくても計算フィールドでできることも多いです。具体的な活用例についてはコネクタを利用したGA4データをもとにして解説しますのでぜひご活用ください。
Contents
Looker Studioの計算フィールドとは?
Looker Studioの計算フィールドは、既存の項目をもとに演算子(足し算・引き算・掛け算・割り算など)、関数や正規表現を使って、独自の項目を作成し、レポートに使える便利な機能です。
インハウスプラスでは、この記事でご紹介する関数以外にもLooker Studioの計算フィールドで使える関数をひとつずつ分かりやすく事例付きで解説しています。Looker Studioの関数ブログ一覧に随時アップしていますので、ぜひご覧ください。
またLooker Studioの基本的な使い方は、「Looker Studioの使い方」を参考にしてください。Looker Studioは無料でさまざまなデータソースと接続し分かりやすいレポートが作成できるとても便利なツールなので、積極的に活用していきましょう。
CASE関数とは
CASE関数は、複数のディメンションや指標に対して指定した条件に基づいて異なる値を返すために使用されます。データを条件によって分類したり、表記を変換したりするために非常に便利です。例えばこの関数を使うことでGA4のデータが英語表記のものを日本語に変換することができます。
似た関数にCASE関数(単純)とIF関数があります。どの関数を利用しても同じ結果が得られることもありますが公式から推奨されている使い分けとしては、
- 1つもしくは複数のディメンションや指標に対して条件を指定し、結果の選択肢が2つの場合はIF関数(例:デバイスの種類をPCとそれ以外の2つに分ける)
- 1つのディメンションや指標に対して条件を指定し、結果の選択肢が3つ以上ある場合はCASE(単純)関数(例:デバイスの種類をPCとモバイルとタブレットとその他の3つ以上に分ける)
- 複数のディメンションや指標に対して条件を指定し、結果の選択肢が3つ以上ある場合はCASE関数(例:デバイスの種類とOSの種類の条件を組み合わせてモバイル・safari、モバイル・chrome、PC・chromeなど3つ以上に分ける)
となっています。
構文
CASE関数の構文は以下の通りです。
CASE
WHEN "条件1" THEN "結果1"
WHEN "条件2" THEN "結果2"
WHEN "条件3" THEN "結果3"
ELSE "その他の結果"
END
"条件1"
には文字列や数字の条件を指定します。特定の文字列だった場合やこの数字よりも大きい場合など。"条件2"
や"条件3"
も同様です。"結果1"
には指定したディメンションもしくは指標が条件1に合致した場合に出力したい値を指定します。"結果2"
や"結果3"
も同様です。"その他の結果"
には指定した条件に合致するものがなかった場合に出力したい値を指定します。
CASE関数の利用注意点
CASE関数を利用するにあたりいくつか注意点があります。
結果の型を統一すること
結果には文字列や数値をどちらも指定することができますが、同一のCASE関数の中ではどちらかに統一する必要があります。例えば結果1は文字列、結果2は数値とすることはできません。
複数の条件に合致する場合
ディメンションや指標が複数の条件に合致する場合には最初に一致する結果が返されます。例えば条件1にも条件2にも合致する値があった場合は先に記述されている条件1の結果1が出力されます。
CASE関数の使い方
CASE関数を使用するためには、Looker Studioで計算フィールドを作成する必要があります。計算フィールドの作成方法にはデータソースの計算フィールドとグラフ固有の計算フィールドの2種類があります。この記事ではデータソースの計算フィールドで作成しますが、それぞれの違いの詳細についてはデータソースの計算フィールドとグラフ固有の計算フィールドの違いをご覧ください。
CASE関数の具体的な使い方をGA4(Googleアナリティクス4)のデータを例に解説します。
利用例:Looker StudioのGA4のページをランク付けする
GA4のページをそのページのセッション数に応じてランク分けします。以下のように計算フィールドを設定し、ランクを定義します。
①フィールド名:任意のフィールド名を入力してください。
②計算式:
CASE
WHEN セッション > 5000 THEN "A"
WHEN セッション between 2500 and 5000 THEN "B"
WHEN セッション < 2500 THEN "C"
END
セッション数が5,000より多い場合はA、2,500から5,000の間はB、2,500より少ない場合はCと定義しました。
③保存:入力が完了したら保存をクリックします。
以下のようにページランクという新しいディメンションができました。
続いて先ほど作成したディメンションがレポートで利用できるようになっているのでディメンションに追加しましょう。すると表に正しく反映されていることがわかります。
利用例:Looker StudioのGA4のページを複数条件でランク付けする
次にセッション数だけでなく平均セッション継続時間と表示回数の複数条件でページをランク分けしてみます。以下のように計算フィールドを設定し、ランクを定義します。
①フィールド名:任意のフィールド名を入力してください。
②計算式:
CASE
WHEN 平均セッション継続時間 > 120 AND 表示回数 >50 THEN "A"
WHEN 平均セッション継続時間 > 120 AND 表示回数 >10 THEN "B"
WHEN 平均セッション継続時間 between 30 and 120 AND 表示回数 >10 THEN "C"
ELSE "D"
END
平均セッション継続時間が120秒より多くかつ表示回数が50回より多い場合はA、平均セッション時間が120秒より多くかつ表示回数が10回より多い場合はBといったように分類します。
③保存:入力が完了したら保存をクリックします。
以下のように複数条件ページランクという新しい指標ができました。
続いて先ほど作成した指標がレポートで利用できるようになっているので指標に追加しましょう。すると表に正しく設定した条件に応じて反映されていることがわかります。
このようにCASE関数は複数条件を使いながらデータを変換したり、カテゴリー分けしたりすることに使える便利な関数です。ぜひ活用してみてください。
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DeNAのデジタルマーケティング責任者として年間450億円を超えるECプラットフォームのマーケティングを担当。2014年に独立し、上場企業から資金調達後のスタートアップまで様々な企業のデジタルマーケティングのプロジェクトに関わり見識を広げた後、2018年3月に株式会社CALLOSUMを創業。