[Looker Studio] NULLIF関数の使い方と活用例 | 計算フィールド
この記事では、Looker StudioおけるNULLIF関数の使い方とその具体的な活用例についてわかりやすく解説します。Looker Studioで利用できる関数を活用して、データを加工し可視化しましょう。
NULLIF関数は不要なデータ除去したり、特定の値を無視して計算したりできる関数です。実際の具体的なデータを見ながら詳しく解説します。
Contents
Looker Studioの計算フィールドとは?
Looker Studioの計算フィールドは、既存の項目をもとに演算子(足し算・引き算・掛け算・割り算など)、関数や正規表現を使って、独自の項目を作成し、レポートに使える便利な機能です。
インハウスプラスでは、この記事でご紹介する関数以外にもLooker Studioの計算フィールドで使える関数をひとつずつ分かりやすく事例付きで解説しています。Looker Studioの関数ブログ一覧に随時アップしていますので、ぜひご覧ください。
またLooker Studioの基本的な使い方は、「Looker Studioの使い方」を参考にしてください。Looker Studioは無料でさまざまなデータソースと接続し分かりやすいレポートが作成できるとても便利なツールなので、積極的に活用していきましょう。
NULLIF関数とは
NULLIF関数は、指定する値が等しい場合にはnullを返し、そうでない場合はそのままの値を返す関数です。nullとはデータの値が何も格納されていないことを表します。これは数字の0とも違う扱いになります。数字の0は値そのものは存在しますがnullは何も存在しません。
この関数は、不要なデータをフィルタリングしたり、特定の値を除外して分析を行う場合に非常に便利です。例えば、ゼロによる割り算を回避したり、特定の値を持つデータを分析から除外したい場合に使用します。
構文
NULLIF関数の構文は以下の通りです。
NULLIF(“nullにしたい値が含まれるフィールド” , "nullに変換したい値")
"nullにしたい値が含まれるフィールド"
には文字列や数字のフィールドを指定します。この中の特定の値をnullに変換します。"nullに変換したい値"
に指定した値と合致したものをnullに変換します。
NULLIF関数の使い方
NULLIF関数を使用するためには、Looker Studioで計算フィールドを作成する必要があります。計算フィールドの作成方法にはデータソースの計算フィールドとグラフ固有の計算フィールドの2種類があります。この記事ではデータソースの計算フィールドで作成しますが、それぞれの違いの詳細についてはデータソースの計算フィールドとグラフ固有の計算フィールドの違いをご覧ください。
NULLIF関数の使い方をサンプルデータとして日付ごとの各店舗の返金というデータを用意しました。このサンプルデータを用いて解説します。返金は発生しない日もあり、その場合は返金列には0が値としてはいっています。
利用例:Looker Studioで1回あたりの返金額平均を表示する
サンプルデータは以下のようになっています。返金列には返金が発生しなかった日は0の値がはいっています。
このデータをそのままLooker Studioで店舗ごとの返金とその平均を表示すると以下のようになります。平均値の出し方についてはこちらのAVG関数の使い方と活用例をご覧ください。
ここでは店舗ごとの返金の合計と平均返金を表示しています。この平均返金はスプレッドシートの返金列のデータに0という値があるため店舗ごとの1日あたりの平均返金を表しています。上の表から具体的に示すとA店舗では1日あたり65円の返金が、C店舗では1日あたり239円の返金が発生していることがわかります。
もちろんこの指標自体には意味がありますが、店舗ごとに返金が何回発生したのか、さらには返金が発生した場合の1回あたりの平均返金をこのままのデータでは表現することができません。そのためこのデータを加工して表示できるようにしていきます。今回はNULLIF関数を利用して返金が0という値をnullに変える加工をしていきます。
まず以下のように計算フィールドを作成します。
①フィールド名:任意のフィールド名を入力してください。
②計算式:NULLIF(返金 , 0)
返金フィールドの値に0の値があった場合にnullに変換するように指示します。
③保存:入力が完了したら保存をクリックします。
以下のように返金_nullifという新しいフィールドができました。
それでは作成したフィールドをレポートで使用していきます。
NULLIF関数を利用して返金が発生しなかった場合は値がnullになっているので、返金の値の数をカウントすれば、それが返金回数になります。数のカウント方法についてはCOUNT関数の使い方と活用例をご覧ください。
またカウントではなく平均値を求めると1回あたりの返金になります。平均値の出し方についてはこちらのAVG関数の使い方と活用例をご覧ください。ここからA店舗では返金が2回発生していて1回あたり750円、C店舗では返金が3回発生していて1回あたり1,833円の返金が発生していることがわかりました。
今回のNULLIF関数のように数値を少し加工することで分析の幅が広がります。ぜひ活用してみてください。
関連するLooker Studio公式ドキュメント
Looker Studio公式ヘルプ:計算フィールドについて
Looker Studio公式ヘルプ:関数リスト
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