Looker Studioとスプレッドシートを連携する方法の解説記事アイキャッチ

Looker Studioとスプレッドシートを連携する方法|反映されない時の対処法も解説

Looker Studio(2026年4月より「データポータル」に名称変更)とGoogleスプレッドシートは、公式コネクタを使って無料で連携でき、シート上のデータを自動で更新されるレポートに変えられます。

「毎月、売上や広告の数字をスプレッドシートに集計して、グラフを作り直して報告している」という方にとって、この連携は働き方が変わるレベルの効率化です。一度レポートを作ってしまえば、あとはスプレッドシートを更新するだけでレポート側も最新化されるため、報告のたびに資料を作り直す作業がなくなります。

本記事では、連携前に整えておくべきスプレッドシートの形から、連携の3ステップ、グラフを使ったレポートの作成方法、複数シートの統合までを実際の画面で解説します。あわせて、つまずきやすい「データが反映されない・更新されない」ときの対処法も症状別にまとめました。

なお、Looker Studio(データポータル)全体の機能や始め方は「データポータル(旧Looker Studio)の使い方」で網羅的に解説しています。本記事は、そのなかの「スプレッドシート連携」を深掘りする位置づけです。

この記事でわかること

  • Looker Studioとスプレッドシートの連携は無料・3ステップ・5分で完了する
  • 連携前に整えるシートの形は「1行目に項目名・縦長形式・セル結合なし・総計行なし」の4点
  • データが反映されない原因はキャッシュ・シートの形・権限の3系統で切り分けられる
  • 複数シートの統合は、ブレンドよりシート側で統合してから連携するのが実務では安定
  • GA4など公式コネクタのあるデータは直接接続が正解。Web広告などコネクタのないデータこそスプレッドシート連携の出番(CSV転記の自動化方法も解説)

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Looker Studioとスプレッドシートを連携するとできること

結論

スプレッドシートのデータを、無料で「自動更新される見やすいレポート」に変えられます。CSVファイルのアップロードと違い、シートを直せばレポートに反映されるのが最大の利点です。GA4のように公式コネクタがあるデータは直接接続が正解で、スプレッドシート連携が真価を発揮するのは「コネクタのないデータ」を扱うときです。

スプレッドシート連携の仕組み|公式コネクタで無料でつながる

Looker Studio(データポータル)は、「コネクタ」と呼ばれる接続部品を通じて各種データソースとつながるBIツールです。Googleスプレッドシートには公式コネクタが用意されており、追加費用なし・専門知識なしで接続できます。

接続の仕組みはシンプルで、スプレッドシートの表をLooker Studioが「データソース」として読み込み、その列(フィールド)をグラフや表の材料として使います。データそのものはシート側に残り続けるため、シートを更新すればレポートも追随して最新化されます。CSVをその都度アップロードする方式(ファイルアップロードコネクタ)との、いちばん大きな違いがここです。

連携する3つのメリット

スプレッドシート連携には、Excel・スプレッドシート単体でのレポート作成にはないメリットが3つあります。

  • レポート更新の自動化:シートにデータを足すだけでグラフ・表が更新されます。「グラフを作り直して、スクショを貼り直して……」という毎回の作業がなくなります。
  • 見やすさ・操作性:期間の絞り込みやディメンションの切り替えを、レポートの閲覧者が自分で操作できます。静的な表の共有と違い、「先月分だけ見たい」に個別対応する必要がありません。
  • 共有のしやすさ:URLを送るだけで最新のレポートを共有でき、閲覧権限の管理もGoogleアカウント単位で行えます。PDFの定期メール配信にも対応しています。

連携が向いているデータ・向かないデータ

見落とされがちですが、すべてのデータをスプレッドシート経由にする必要はありません。Looker Studioには800を超えるコネクタがあり、公式コネクタがあるデータはスプレッドシートを経由せず直接つなぐほうが、転記の手間もズレも発生しません。

データの種類推奨する接続方法理由
GA4・サーチコンソール・Google広告・BigQuery公式コネクタで直接接続無料の公式コネクタがあり、スプレッドシートを経由する必要性がない
Meta広告・Yahoo!広告・LINE広告などのWeb広告スプレッドシート経由が定番無料の公式コネクタがなく、有料のサードパーティコネクタはコストが高い。管理画面のCSVをシートに転記する運用が現実的な入口
ASP(アフィリエイト)・売上・営業・在庫などの社内データスプレッドシート経由そもそも外部コネクタが存在せず、シートが実質的な標準ルート

つまりスプレッドシート連携が真価を発揮するのは、「公式コネクタのないデータをレポートに載せたいとき」です。特にWeb広告のレポートでは「管理画面からCSVをダウンロード→シートに転記→Looker Studioで可視化」という運用が広く行われています。この転記作業自体を自動化する方法は、後半の「広告レポートの『CSVダウンロード→スプレッドシート転記』は自動化できる」で解説します。

連携前の事前準備|スプレッドシートを「レポート用の形」に整える

結論

連携前に「1行目に項目名を入れる」「データは縦長形式にする」「セル結合・総計行を入れない」「閲覧権限を確認する」の4点を整えておけば、連携トラブルの大半は未然に防げます。Looker Studioは“人が見てきれいな表”ではなく“データベース形式の表”を求めている、と覚えてください。

スプレッドシート連携のつまずきは、実は接続操作よりもシート側のデータの形が原因であることがほとんどです。私たちがレポートを納品する際にも、お客様のシートをこの形に整えるところから始めます。連携がうまくいかないときの切り分けにも使えるので、最初に確認しておきましょう。

1行目にフィールド名を入れ、重複させない

表の1行目(見出し行)は、Looker Studioが「フィールド名」として読み込みます。次の3点に注意してください。

  • 1行目は必ず項目名にする:タイトル行や説明文をシート上部に置かない(置く場合は、後述の「範囲指定」で表部分だけを読み込む)
  • 同じフィールド名を2列以上に使わない:「費用」列が2つあると正しく認識されません。「広告費用」「制作費用」のように一意にします
  • 空欄の見出しを作らない:見出しのない列があると、その列はフィールドとして扱えません

データは縦長形式で入力する(横持ちはNG)

Looker Studioが読めるのは、1行=1件のデータが下に積み上がっていく「縦長形式」です。月ごとに列を横へ増やしていく“横持ち”の表は、人が見る分にはきれいですが、Looker Studioではグラフにできません。

形式Looker Studioでの扱い
縦長形式(OK)日付・媒体・費用・CVの4列に、1日1媒体ずつ行を追加日付での推移グラフも媒体別の集計も自由自在
横持ち形式(NG)行に媒体、列に「1月費用」「2月費用」…と横に展開月をディメンションとして扱えず、集計・グラフ化できない

すでに横持ちで管理しているシートは、レポート用に縦長のシート(タブ)を別に作り、そちらを連携するのが安全です。

セル結合・総計行・空白行を入れない

見た目を整えるための加工は、データソースとしてはすべてノイズになります。

  • セル結合をしない:結合されたセルは片方が空欄として読み込まれ、集計がズレます
  • 総計・小計行を入れない:シート内に「合計」行があると、Looker Studioの集計と二重カウントになります。合計はLooker Studio側で自動計算させます
  • 途中の空白行・列を挟まない:データの範囲が正しく認識されない原因になります

閲覧権限のあるGoogleアカウントで管理する

連携できるのは、Looker Studioにログインしているアカウントが閲覧権限を持つシートだけです。会社のアカウントと個人アカウントを併用している場合、「シートは個人・Looker Studioは会社」のようにアカウントが食い違うと、コネクタの一覧にシートが表示されません。チームで運用する場合は、共有ドライブなど全員がアクセスできる場所にシートを置いておくと、担当者の異動時も安全です。

Looker Studioとスプレッドシートを連携する方法【3ステップ】

結論

連携は「①レポートを新規作成→②コネクタでGoogleスプレッドシートを選択→③シートを選んで追加」の3ステップ、所要5分ほどです。費用はかからず、Googleアカウントさえあればすぐに試せます。

シートの準備ができたら、実際に連携します。ここでは新しくレポートを作りながら接続する、いちばん基本的な流れを解説します。

STEP1:Looker Studioでレポートを新規作成する

Looker Studio(データポータル)にアクセスし、連携したいシートを閲覧できるGoogleアカウントでログインします。ホーム画面左上の「作成」から「レポート」を選ぶと、新しいレポートの作成が始まり、続けてデータの追加画面が開きます。

STEP2:コネクタ「Googleスプレッドシート」を選択して接続する

「データのレポートへの追加」画面で、Google Connectorsの一覧から「Googleスプレッドシート」を選びます。次の順で対象を指定してください。

  1. スプレッドシート:連携したいファイルを選択(一覧に出ない場合は、ログイン中のアカウントに閲覧権限がありません)
  2. ワークシート:ファイル内のどのシート(タブ)を使うかを選択
  3. オプション:通常は「先頭行をヘッダーとして使用する」にチェックが入ったままでOKです。シート上部にタイトル行がある場合などは「特定の範囲」で表の範囲(例:A3:F100)を指定します

右下の「追加」→「レポートに追加」をクリックすれば接続完了です。

STEP3:フィールド(列)の読み込みを確認する

接続すると、レポートの編集画面に切り替わり、右側のデータパネルにシートの列がフィールドとして並びます。ここで各フィールドの「型」が正しく認識されているかを確認しておくと、後の工程がスムーズです。

  • 数値・通貨:費用・クリック数などが「数値」になっているか
  • 日付:日付列が「日付」型になっているか。シート側が「2026/07/01」のような標準的な日付形式なら自動で認識されます。テキスト扱いになっている場合は、フィールドの型を手動で「日付」に変更します
  • テキスト:媒体名・キャンペーン名などの文字列

型の確認と修正は、画面上部の「リソース」内にある「追加済みのデータソースの管理」からいつでも行えます。これで連携は完了です。続いて、このデータでレポートを作っていきましょう。

POINT

Google広告・Meta広告などのCSVをシートに貼り付けてこの連携を組んでいる方は、その転記作業ごと自動化できます。詳しくは「広告レポートの『CSVダウンロード→スプレッドシート転記』は自動化できる」をご覧ください。

スプレッドシートのデータでレポートを作成する方法【4ステップ】

結論

レポート作成は「①グラフを追加→②ディメンションと指標を設定→③期間・フィルタのコントロールを置く→④デザインを整える」の4ステップです。まずは表・スコアカード・時系列グラフの3つだけ覚えれば、月次レポートの形になります。

データソースをつないだだけでは、まだ白紙のページがあるだけです。ここからシートのデータを「見るためのレポート」に組み立てます。

STEP1:グラフを追加する

編集画面上部の「グラフを追加」から、使いたい形式を選んでページ上に配置します。種類は多いですが、最初に使うのは実質この3つです。

グラフ向いている用途
明細をそのまま見せる媒体別・キャンペーン別の実績一覧
スコアカード重要な数値を大きく1つ見せる当月の費用合計・CV合計
時系列グラフ日別・月別の推移を見せる費用とCVの日次推移

円グラフや棒グラフ、地図などは、この3つで骨格を作ってから足すと迷いません。

STEP2:ディメンションと指標を設定する

グラフを選択すると、右側のパネルでディメンション(分析の切り口:日付・媒体名など)と指標(集計する数値:費用・クリック数など)を設定できます。シートの列がそのまま候補に出てくるので、ドラッグ&ドロップで割り当てるだけです。

シートに存在しない指標が必要な場合は、計算フィールドを使えばLooker Studio側で作れます。たとえばCTR(クリック÷表示回数)やCPA(費用÷CV)は、シートに列を足さなくても数式で定義できます。詳しい作り方は「Looker Studioの計算フィールドの使い方」で解説しています。

STEP3:期間設定・フィルタのコントロールを置く

レポートの閲覧者が自分で操作できる部品を「コントロールを追加」から配置します。最低限、次の2つを置いておくと「先月分だけ見たい」「Google広告だけ見たい」に個別対応する必要がなくなります。

  • 期間設定コントロール:閲覧者が対象期間を自由に切り替えられる
  • プルダウンリスト:媒体名・キャンペーン名などでの絞り込み

STEP4:デザインを整えて完成

最後に、レポートの「テーマとレイアウト」で配色を整え、タイトルや説明テキストを添えます。凝り始めるときりがないので、社内共有ならテーマ選択だけで十分です。クライアント提出用に整ったデザインが必要な場合は、「Looker Studioのおすすめテンプレート」を使うと早く仕上がります。

複数のスプレッドシートを統合してレポートにする方法

結論

方法は「①データソースを複数追加して並べる」「②データの統合(ブレンド)でグラフを1つにまとめる」「③シート側で先に統合する」の3つです。手軽なのは①、同一グラフで比較したいなら②ですが、データ量や管理のしやすさを考えると、実務では③のシート側統合が最も安定します。

「Google広告はこのシート、Yahoo!広告はあのシート」のように、データが複数のスプレッドシートに分かれているケースはよくあります。統合の方法を3つ、使い分けとともに紹介します。

方法①:データソースを追加して、グラフごとに使い分ける

1つのレポートには複数のデータソースを追加できます。「リソース」内の「追加済みのデータソースの管理」から「データソースを追加」で2つ目以降のシートを接続し、グラフごとにどのデータソースを使うかを指定するだけです。

媒体ごとにページを分けて見せるレポートなら、この方法だけで完結します。設定も簡単なので、まずはここから始めましょう。

方法②:データの統合(ブレンド)で1つのグラフにまとめる

「複数媒体の費用を合算した合計値を出したい」「1つの表に全媒体を並べたい」場合は、データの統合(ブレンド)を使います。グラフを右クリックして「データを統合」を選ぶか、「リソース」の「統合を管理」から設定し、共通のキー(日付・キャンペーン名など)で複数のデータソースを結合します。

便利な機能ですが、次の制約は知っておいてください。

  • 統合できるデータソースは最大5つまで
  • 結合キーの表記が揃っていないと正しく結合されない:「Google広告」と「google広告」は別物として扱われます
  • 統合したデータソースはレポートをまたいで使い回せない

方法③:シート側で統合してから連携する(実務ではこれが安定)

私たちが実際にレポートを構築する際は、スプレッドシート側で1枚の縦長テーブルに統合してから、それだけをLooker Studioに読ませる構成を基本にしています。IMPORTRANGE関数やQUERY関数で各シートのデータを1つのタブに集約し、「日付・媒体・キャンペーン・費用・クリック・CV」のような共通フォーマットに揃える方法です。

ブレンドに比べて、次の利点があります。

  • 表示が軽い:レポート側は1データソースだけを読むため、表示速度が落ちにくい
  • 管理が楽:集計ロジックがシート側に集約され、レポート側の設定がシンプルに保てる
  • 拡張しやすい:媒体が増えても、シートに行が増えるだけでレポート側の修正が不要

ただしこの構成は、各媒体のCSVを毎回シートに貼り付ける転記作業が前提になります。媒体数が増えるほどこの手作業がボトルネックになるため、その自動化については次章で解説します。

スプレッドシートのデータが反映されない・更新されないときの対処法

結論

原因は「キャッシュ(更新待ち)」「シートの形」「権限」の3系統にほぼ集約されます。まずはレポート右上の更新操作でキャッシュをクリアし、直らなければ症状別に以下を確認してください。

連携後によくあるトラブルを、症状から逆引きできる形でまとめました。症状名をクリックすると対処法へ移動できます。

症状主な原因まず試すこと
シートを直したのにレポートに反映されないキャッシュが古い「データを更新」で手動更新
そもそも連携できない(シートが一覧に出ない)アカウント・権限の食い違いログインアカウントとシートの権限を確認
数値・集計がおかしいシートの形(結合セル・総計行・型)事前準備の4点を再確認
追加した列が候補に出てこないフィールド情報が古いデータソースの「フィールドを更新」
エラーが表示されてグラフが描画されないシートの削除・移動・権限剥奪データソースの接続先を再設定

シートを更新したのにレポートに反映されない

いちばん多いケースで、原因の大半はキャッシュです。Looker Studioは表示速度を保つためにデータを一時保存しており、スプレッドシートの更新は即座には反映されません。Looker Studioのスプレッドシートデータは、既定で15分ごとに自動更新されます。

すぐ反映させたい場合は、レポート閲覧画面の右上メニューから「データを更新」をクリックしてください。キャッシュがクリアされ、シートの最新データを読み直します。また、レポートを開いたまま放置していた場合は、ブラウザの再読み込みだけで直ることもあります。

更新の頻度そのものを変えたい場合は、データソースの設定にある「データの更新頻度」で15分/4時間/12時間から選べます。頻繁に書き換わるシートなら15分のままにしておきましょう。

連携できない・スプレッドシートが一覧に表示されない

コネクタの選択画面に目的のシートが出てこない場合、Looker Studioにログインしているアカウントに、そのシートの閲覧権限がないことがほとんどです。

  • ログイン中のアカウントを確認する:ブラウザで複数のGoogleアカウントを使っている場合、意図しないアカウントでログインしていないか右上のアイコンで確認します
  • シートの権限を確認する:他人から共有されたシートの場合、「閲覧者」以上の権限があるか確認します
  • 組織の共有設定を確認する:ドメイン外共有の制限などでブロックされている場合は、管理者への確認が必要です

データは出るが、数値や集計がおかしい

グラフは表示されるのに数字が合わない場合は、シート側の形に原因があります。「連携前の事前準備」で挙げた4点、特に総計行の混入(合計の二重カウント)とセル結合(空欄扱いによる集計ズレ)、そしてフィールドの型(数値がテキストとして読まれていないか)を確認してください。

シートに追加した列がフィールドに出てこない

連携後にシートへ新しい列を足しても、レポート側のフィールド一覧には自動では追加されません。「リソース」内の「追加済みのデータソースの管理」からデータソースを開き、「フィールドを更新」を実行すると、新しい列が取り込まれます。

「データセットにアクセスできません」等のエラーが出る

接続先のスプレッドシートが削除された、ゴミ箱に入った、共有が解除された、といった場合に発生します。シート自体が残っているかを確認し、残っている場合はデータソースの編集画面で接続先を選び直すと復旧できます。ファイルを作り直した場合も、URLが変わっているため再接続が必要です。

それでも解決しない場合は、Looker Studioヘルプ(スプレッドシートへの接続)も参照してください。

広告レポートの「CSVダウンロード→スプレッドシート転記」は自動化できる

結論

Web広告のレポートで毎回発生する「管理画面からCSVをダウンロードしてシートに貼り付ける」作業は、自動化できます。方法はGAS・アドオン・有料コネクタ・レポート自動化ツールの4つ。転記だけでなくレポート作成まで含めて仕組み化するなら、権限付与だけで完了するレポート自動化ツールが最短です。

ここまで解説した「スプレッドシート→Looker Studio」の流れは一度作れば自動で回りますが、Web広告のレポートにはその手前に残る手作業があります。Google広告・Meta広告・Yahoo!広告などの管理画面からCSVをダウンロードし、シートに貼り付ける転記作業です。

手動転記の5つの限界

月初のレポート作成のたびにこの作業をしている場合、次の問題が積み上がっていきます。

  • 工数が「媒体数×切り口の数」で増える:3媒体×月次でも年間36回のダウンロード・転記。さらに1媒体でも、キャンペーン別だけでなく広告グループ・ランディングページ・ユーザー属性など切り口ごとにCSVが必要になるため、レポートを充実させるほど掛け算で膨らみます
  • ヒューマンエラーが混ざる:貼り付け位置のズレ、期間の選び間違い、列順の変更など、手作業の数だけミスの機会があります。レポートの数字そのものが信用できなくなるのが最大のリスクです
  • 属人化・更新忘れ:転記手順が担当者の頭の中にしかなく、不在時にレポートが止まる。「シートさえ更新されればレポートは自動」の仕組みが、逆にシート更新の遅れに気づきにくくします
  • 画像(クリエイティブ)レポートが作れない:CSVで取り出せるのは数値データだけです。どのバナー・どの動画が成果を出しているかを画像付きで見せるレポートは、この方式では作れません
  • 手数料込み費用やCV定義の反映が難しい:代理店マージンを乗せたグロス費用の計算や、媒体をまたいだコンバージョン定義の統一をシートの関数で組むのは実装難易度が高く、列がひとつズレただけで壊れる保守の重荷になります

自動化の4つの選択肢

転記作業の自動化には、大きく4つの方法があります。

方法概要向いているケース注意点
GAS+媒体APIGoogle Apps Scriptで各媒体のAPIからシートへ自動書き込みエンジニアリソースがある媒体ごとのAPI仕様変更への追随・保守が必要
スプレッドシートのアドオンシートに広告データを取り込む拡張機能を利用少数媒体・小規模媒体対応範囲と無料枠に制限があることが多い
有料サードパーティコネクタシートを経由せずLooker Studioに直接接続特定媒体だけ自動化したい媒体数×月額のコストが高くつきやすい
レポート自動化ツールデータ取得からLooker Studioレポート作成までを一括提供複数媒体をまとめて自動化したい・保守も任せたい月額費用がかかる(下記ツールは月額4,980円〜)

GASによる内製は初期費用こそかかりませんが、実際にはAPIの仕様変更のたびに保守が発生し、作った人が異動すると誰も直せなくなるケースを多く見てきました。「作れるか」より「保守し続けられるか」で選ぶのがおすすめです。

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  • 運用型広告27+ASP8の計35媒体に対応:公式APIでデータを取得するため、仕様変更への追随もツール側にお任せ
  • 過去データも初回に13ヶ月分を取得:導入した月からいきなり前年比較ができます
  • カスタマイズ自由:項目もデザインも編集でき、本記事で解説したスプレッドシートをデータソースとして追加することも可能です。社内データと広告データを1枚のレポートに共存させられます
  • 代理店機能:グロス表記やコメント機能に対応し、クライアント報告にもそのまま使えます
  • 分析まで広げられる:Standardプラン(月額14,800円・税込)以上では、Claude × BigQueryの連携基盤(Claude MCP連携サービス)も利用でき、蓄積した広告データをSQLなしの自然言語で深掘り分析する環境まで構築できます
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Looker Studioとスプレッドシートの連携でよくある質問(FAQ)

Q1. Looker Studioのデータをスプレッドシートにエクスポートできますか?

できます。本記事で解説した「シート→Looker Studio」と逆方向の操作で、レポート上のグラフや表のデータは、グラフ右上のメニューからCSV・スプレッドシート形式でエクスポートできます。手順や制限の詳細は「Looker Studioのエクスポート方法」で解説しています。

Q2. Excelファイルも連携できますか?

直接は連携できません。Looker StudioのコネクタはGoogleスプレッドシートに対応しており、Excel(.xlsx)ファイルはそのままでは読み込めません。ExcelファイルをGoogleドライブにアップロードしてGoogleスプレッドシート形式に変換するか、シートの「ファイル」内にある「インポート」でデータを取り込んでから連携してください。

Q3. スプレッドシート連携に料金はかかりますか?

かかりません。Googleスプレッドシートのコネクタは公式・無料で、本記事で解説した連携・レポート作成・共有まですべて無料版のLooker Studioで完結します。有料のLooker Studio Proもありますが、これは組織向けの管理機能・サポートが主目的で、スプレッドシート連携のために契約する必要はありません。違いは「Looker Studio Proの料金と機能」で解説しています。

Q4. 作成したレポートをWebサイトやシートに埋め込めますか?

Webサイト・社内ポータルへの埋め込みは可能です。「ファイル」内の「レポートを埋め込む」で埋め込みを有効にすると、iframeコードが発行されます。一方、スプレッドシートの中にレポートを埋め込むことはできません。シートからレポートへはURLリンクで誘導する形になります。

Q5. スプレッドシート以外のデータもレポートにできますか?

できます。GA4・サーチコンソール・Google広告・BigQueryなどには無料の公式コネクタがあり、スプレッドシートを経由せず直接接続できます(詳しくは「連携が向いているデータ・向かないデータ」を参照)。コネクタ全体の使い方は「データポータル(旧Looker Studio)の使い方」にまとめています。

まとめ|スプレッドシート連携で「レポートを作り直す仕事」をなくそう

Looker Studio(データポータル)とスプレッドシートの連携について、重要なポイントを振り返ります。

  • 連携は無料・3ステップ・5分で完了する。公式コネクタがあるので専門知識は不要
  • 事前準備が成功の8割。1行目に項目名・縦長形式・セル結合なし・総計行なしの4点を整える
  • レポートは表・スコアカード・時系列グラフの3つから。シートにない指標は計算フィールドで作る
  • 複数シートは、ブレンドよりシート側で統合してから連携するほうが実務では安定する
  • 反映されないときはキャッシュ・シートの形・権限の3系統で切り分ける
  • GA4のように公式コネクタがあるデータは直接接続、スプレッドシート連携は「コネクタのないデータ」のためのルートと使い分ける

まずは手元のシートを1つ、5分で連携してみてください。「シートを更新すればレポートが最新になる」体験をすると、毎回グラフを作り直していた時間が惜しくなるはずです。

そして、Web広告のレポートで「CSVダウンロード→シート転記」の手作業が残っている方は、その工程ごと自動化するのが次の一手です。Web広告レポート(横型)なら、権限を付与するだけで35媒体のレポートが月額4,980円(税込)から自動で回り始めます。

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