[Looker Studio] VARIANCE関数の使い方と活用例 | 計算フィールド

[Looker Studio] VARIANCE関数の使い方と活用例 | 計算フィールド

この記事では、Looker StudioおけるVARIANCE関数の使い方とその具体的な活用例についてわかりやすく解説します。Looker Studioで利用できる関数を活用して、データを加工し可視化しましょう。

VARIANCE関数はコネクタを利用したGA4(Googleアナリティクス4)、サーチコンソール、Google広告では利用できませんがスプレッドシートから読み込んだデータなどには利用できます。

Looker Studioの計算フィールドとは?

Looker Studioの計算フィールドは、既存の項目をもとに演算子(足し算・引き算・掛け算・割り算など)、関数や正規表現を使って、独自の項目を作成し、レポートに使える便利な機能です。

インハウスプラスでは、この記事でご紹介する関数以外にもLooker Studioの計算フィールドで使える関数をひとつずつ分かりやすく事例付きで解説しています。Looker Studioの関数ブログ一覧に随時アップしていますので、ぜひご覧ください。

またLooker Studioの基本的な使い方は、「Looker Studioの使い方」を参考にしてください。Looker Studioは無料でさまざまなデータソースと接続し分かりやすいレポートが作成できるとても便利なツールなので、積極的に活用していきましょう。

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VARIANCE関数とは

VARIANCE関数は、指定した数値フィールドの「分散」を取得するために使用される関数です。「分散」とはデータのばらつきを表す統計量です。データの各値が平均値からどれだけ離れてい分布しているかを表します。分散が大きいほどデータのばらつきが大きく、分散が小さいほどデータのばらつきが小さいとなります。分散はデータの異常値(あまりにも大きな数字や小さい数字がデータに混ざっていないか)検出にも利用されます。

例えば、ある2つのクラスのテストの点数が、[10, 20, 30, 40, 50] と[20, 30, 30, 30, 40]があった場合、平均値はどちらのクラスも30ですが、前者のクラスの方が後者のクラスに比べて平均よりも点数が低かったり高かったりしています。この場合、平均のみを見ているとこのようなデータの違いに気づけません。それぞれの分散は前者が200、後者が40となっています。これは分散の値が大きい前者のクラスの方が後者のクラスよりも点数のばらつきが大きいことを示します。このように分散も見ることで平均だけではわからないデータのばらつきを把握することができます。

似た関数に標準偏差を求めるSTDDEV関数があります。主な違いとしては分散は元のデータの単位の二乗ですが、標準偏差は元のデータの単位と同じです。そのため標準偏差の方がデータの散らばりを直感的に理解しやすいです。一方で分散は求めた分散をさらに数学的なモニタリングや分析をする際に計算がしやすい形になっています。

構文

VARIANCE関数の構文は以下の通りです。

VARIANCE(“数値フィールド”)

  • “数値フィールド”は分散を取得したい数値フィールドを指定します。

VARIANC関数の利用条件

VARIANCE関数が利用できる条件が2つあります。分散を取得したい数値が以下の2つに該当しないかを事前に確認しましょう。

数値であること

VARIANCE関数は 分散を求める関数なので数字ではないディメンションには利用することができません。

集計済みの指標でないこと

データソースの数値がコネクタなどですでに集計された数値の場合はVARIANCE関数を利用することができません。集計済みの数値かはデータソースのデフォルトの集計が自動になっているかで判断できます。自動となっているものにはVARIANCE関数は利用できませんのでご注意ください。

デフォルトの集計が自動となっている指標
引用:Looker Studio

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VARIANCE関数の使い方

VARIANCE関数を使用するためには、Looker Studioで計算フィールドを作成する必要があります。計算フィールドの作成方法にはデータソースの計算フィールドとグラフ固有の計算フィールドの2種類があります。この記事ではデータソースの計算フィールドで作成しますが、それぞれの違いの詳細についてはデータソースの計算フィールドとグラフ固有の計算フィールドの違いをご覧ください。

また前述したとおり、VARIANCE関数はコネクタを利用したGA4(Googleアナリティクス4)、サーチコンソール、Google広告のデータソースの指標には利用することはできません。そのため今回はサンプルデータとして日付ごとの各店舗の客数と売上データというデータを用意しました。このサンプルデータを用いて解説します。

利用例:Looker Studioで売上の分散を可視化する

以下のように計算フィールドを設定します。

売上分散の設定
引用:Looker Studio

①フィールド名:任意のフィールド名を入力してください。

②計算式:VARIANCE(売上)

③保存:入力が完了したら保存をクリックします。

以下のように売上分散という新しい指標ができました。

売上分散の指標
引用:Looker Studio

続いて先ほど作成した指標がレポートで利用できるようになっているので指標に追加しましょう。すると表に数値が正しく反映されていることがわかります。

売上分散の表への追加
引用:Looker Studio

またAVG関数MAX関数を使って作成した指標と一緒に店舗ごとに分散を比較すると以下のようにC店舗の分散が最も大きいため日々の売上のばらつきが他の店舗に比べて多いことがわかります。ここから売上が低い日や高い日がどういう日なのか、それはなぜなのかなどの分析を進めることで売上向上の施策の立案のきっかけに活かすことができます。

平均値、中央値、標準偏差、分散との比較
引用:Looker Studio

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計算フィールドを使わずに分散を表す方法

分散などの基本的な統計量については計算フィールドを使わずにレポートに反映することもできます。その手順を解説します。

利用例:Looker Studioで客数の分散を可視化する

まずはレポートで分散を求めたい指標の左側のマークをクリックします。

客数分散の設定
引用:Looker Studio

次に名前を入力し集計方法を差異にチェックを入れます。

客数分散の表示
引用:Looker Studio

これでレポートに設定が反映され客数の分散が表示されました。日々の客数のばらつきが最も大きい店舗はB店舗ということがわかりました。ここから客数が低い日や高い日がどういう日なのか、それはなぜなのかなどの分析を進める糸口を得ることができます。以上がVARIANCE関数を利用した分散の表示方法です。ぜひ試してみてください。

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関連するLooker Studio公式ドキュメント

Looker Studio公式ヘルプ:計算フィールドについて

Looker Studio公式ヘルプ:関数リスト

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