[Looker Studio] 計算フィールドの使い方 | コピペで使える便利な関数リスト付き
この記事では、Looker Studioの便利な計算フィールドの使い方を分かりやすく解説します。計算フィールドは、既存の項目をもとに演算子(足し算・引き算・掛け算・割り算など)、関数や正規表現を使って、独自の項目を作成し、レポートに使える便利な機能です。ぜひ活用してください。
Contents
Looker Studio(旧データポータル)とは?
Looker Studioは、さまざまなデータソースと接続し、分かりやすい全自動のレポートが作成できるGoogleが提供する無料のレポート作成ツールです。
□ 関連記事:【完全保存版】Looker Studio(旧データポータル)の使い方
Looker Studioの計算フィールドとは?
計算フィールドは、既存の項目をもとに演算子(足し算・引き算・掛け算・割り算など)、関数や正規表現を使って、独自の項目を作成し、レポートに使える便利な機能です。
Looker Studioの項目は、ディメンション(日付、性別などの分析軸)と指標(ユーザー数やページビュー数などの数値)の2種類ありますが、計算フィールドでは、ディメンションも指標も独自の項目を新しく作成することができます。
データソースの計算フィールドとグラフ固有の計算フィールドの違い
計算フィールドには、「データソースの計算フィールド」と「グラフ固有の計算フィールド」の2種類の設定方法があります。
次の表は、それぞれの計算フィールドの違いをまとめたものになります。使い分けとしては、基本的にはより使いやすい「データソースの計算フィールド」を利用し、統合データソースを使った計算フィールドの設定が必要な場合のみ、「グラフ固有の計算フィールド」を使うようにしましょう。
機能 | データソースの計算フィールド | グラフ固有の計算フィールド |
---|---|---|
作成できるユーザー | データソースの編集者 | レポートの編集者 |
作成した計算フィールドの利用範囲 | そのデータソースを使用するすべてのレポート | 作成先のグラフのみ |
他の計算フィールドを使って計算フィールドを作成 | 可能 | 不可 |
統合データを扱うことができる | 不可 | 可能 |
Looker Studioの計算フィールドでできること
計算フィールドを使うことでできることは、大きく以下の3つです。
- 数値と通常の演算子(足し算・引き算・掛け算・割り算)を使って新しい指標を作る
- 関数を使ってデータを加工する
- CASE分を使って(条件)分岐ロジックを作る
これだけでは抽象的で理解しづらいと思いますので、次のセクション以降では、具体的な計算フィールドの使い方や便利な関数を使った計算フィールドの実用例もご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
Looker Studioの計算フィールドの使い方
計算フィールドは、以下の3ステップで簡単に作成できます。ここでは、GA4のデータソースを使って、デフォルトの指標にはない「新規ユーザー率」を作成してみます。
データソースの「計算フィールドを追加」を選択する
Looker Studioのデータソースを開き、右上の「フィールドを追加」をクリックすると、2つの選択肢が出てくるので、「計算フィールドを追加」を選択します。

「フィールド名」と「計算式」を入力し、保存する
以下のように設定し、保存しましょう。なお、この設定は後からでも変更可能です。
- フィールド名:後からみても分かりやすい名称を入力
- 計算式:今回は新規ユーザー率なので、「新規ユーザー数 / アクティブユーザー数」を入力

(任意)タイプを変更する
保存後、設定画面を閉じるとフィールド一覧画面が表示されるので、さきほど設定した「新規ユーザー率」を右上の検索窓に入力すると、以下のように作成した項目が表示されます。
デフォルトのタイプは数値(例:0.5)ですが、新規ユーザー率はパーセンテージ(50%)で表示したいので、タイプをプルダウンで「%」にしておきましょう。

これで計算フィールドの設定は完了です。設定が完了したら、すぐに以下のようにレポートで項目が利用可能になります。

Looker Studioの計算フィールドで使える便利な関数リスト
ここから、計算フィールドの作成時に便利な関数リストをご紹介します。インハウスプラスでは、この記事でご紹介する関数以外にもLooker Studioの計算フィールドで使える関数をひとつずつ分かりやすく事例付きで解説しています。Looker Studioの関数ブログ一覧に随時アップしていますので、ぜひご覧ください。
テキストデータからリンクURLを生成できる「HYPERLINK」関数
HYPERLINK関数は、テキストをクリック可能なハイパーリンクに変換します。基本的な構文は以下の通りです。
HYPERLINK("URL", "リンクテキスト")
"URL"
はハイパーリンク先のアドレスを指定します。これはクリックすると開くウェブページURLです。"リンクテキスト"
はリンクに表示されるテキストです。これはユーザーが見ることができ、クリックすると指定されたURLに移動します。
利用例:Looker StudioでGA4のリンク付きページタイトル一覧を作成する
以下のように計算フィールドを設定します。
HYPERLINK(ページの完全な URL, ページ タイトル)

これを実際のレポートで利用すると、クリック可能なページタイトル一覧になり、クリックすると別ウィンドウで実際のURLが開きます。

条件に一致するテキストを別の文字列に変換したり削除ができる「REGEXP_REPLACE」関数
REGEXP_REPLACE関数は、文字列の中で正規表現に一致するテキストを別の文字列に置換します。基本的な構文は以下の通りです。
REGEXP_REPLACE(対象文字列, '検索する正規表現パターン', '置換する文字列')
対象文字列
:変更を加えたい元のテキストです。'検索する正規表現パターン'
:このパターンに一致する部分が対象文字列内で探されます。'置換する文字列'
:一致したテキストがこの文字列で置換されます。
利用例:Looker StudioでGA4のページの完全なURLからパラメータを除外する
以下のように計算フィールドを設定します。この関数は、ページの完全なURLから、「?」記号に続く全ての文字を削除します。
REGEXP_REPLACE(ページの完全な URL, '\?.+', '')

これで、以下のようにパラメータが除外された「ページの完全なURL」ディメンションが利用可能になりました。

特定の条件に基づきデータを変換できる「CASE」関数
CASE関数は、データの分類、ラベル付け、特定の条件に基づいたデータの変換など、様々なケースで活用できます。例えば、価格帯で商品をカテゴリー分けする場合は、以下のように設定します。
CASE
WHEN 価格 < 100 THEN "安価" WHEN 価格 BETWEEN 100 AND 500 THEN "標準"
WHEN 価格 > 500 THEN "高価"
ELSE "価格未定"
END
この例では、価格が100未満の場合は「安価」、100から500の範囲は「標準」、500以上は「高価」というラベルを割り当てます。どの条件にも当てはまらない場合は「価格未定」と表示されます。
利用例:Looker StudioのGA4のデバイスカテゴリを日本語に変換する
GA4のデバイスカテゴリは、デフォルトでは以下のように英語表記になっています。
- desktop
- mobile
- tablet
これを以下のように計算フィールドを設定し、それぞれ日本語に変換します。
CASE
WHEN デバイス カテゴリ= "desktop" THEN "パソコン"
WHEN デバイス カテゴリ= "mobile" THEN "モバイル"
WHEN デバイス カテゴリ= "tablet" THEN "タブレット"
ELSE "その他"
END

これで、以下のように日本語のデバイスカテゴリが利用可能になりました。

関連するLooker Studio公式ドキュメント
Looker Studio公式ヘルプ:計算フィールドについて
Looker Studio公式ヘルプ:関数リスト
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DeNAのデジタルマーケティング責任者として年間450億円を超えるECプラットフォームのマーケティングを担当。2014年に独立し、上場企業から資金調達後のスタートアップまでさまざまな企業のデジタルマーケティングのプロジェクトに関わり見識を広げた後、2018年3月に株式会社CALLOSUMを創業。