[GA4] レポートID(旧レポート用識別子)とは?Googleシグナルが削除された影響についても解説
レポートID(旧レポート用識別子)はGA4がユーザーを識別する方法です。ユーザーを識別する情報としてはユーザーIDやデバイスIDなどがあり、これらの識別情報のどの情報を使ってGA4でユーザー識別するかを選ぶことができます。この記事ではレポートIDの種類やユーザー識別情報とその内容、2024年2月に識別情報からGoogleシグナルが削除された影響についてもわかりやすく解説します。
Contents
レポートIDとは?
GA4にはユーザーの最初の参照元/メディアやユーザー数などユーザーに関連するディメンション・指標が多く存在します。こういったディメンション・指標はサイトへのアクセスをユーザーごとに識別していなければ計測することはできません。この識別する方法がレポートIDです。レポートIDには2024年4月現在で2種類の方法がありサイト運営者がどちらの方法を利用するか選択できるようになっています。
レポートIDの種類
レポートIDの種類の違いはGA4の管理画面のレポートIDメニューから確認することができます。どの識別情報を使うかで種類が分かれます。
レポートID | 識別情報(ユーザー識別スペース) |
---|---|
ハイブリッド | ユーザーID デバイスID モデリング |
計測データ | ユーザーID デバイスID |
識別情報には優先度があり、優先度が高い情報から順番にユーザーの識別を行います。例えばレポートIDが計測データの場合はまずユーザーIDで識別できるかを判定します。ユーザーIDですべてもしくは一部のユーザーが識別できない場合は次にデバイスIDを使用してユーザーの識別を行います。同様にハイブリッドの場合はユーザーID、デバイスID、モデリングの順番にユーザーの識別を行います。
ユーザー識別スペースとは?
ユーザー識別スペースとはユーザーを識別する情報を意味し、ここではそれぞれの詳細を解説します。
ユーザーID
ユーザーIDはサイト運営者が独自で作成したIDのことです。ユーザーIDを利用するためにはサイト運営者はサイトの改修を行い、GA4にユーザーIDを送信する必要があります。例えばログインが必要なサイトでは会員IDがユーザーを識別するIDとなり、それをGA4に送信します。サイト側の改修が必要になりますが最も正確なユーザー識別を行うことができる情報です。一方でサイト側で正しく実装できていないとユーザー数など関連指標が異なる値になるため注意が必要です。
□ 関連する公式ヘルプ:ユーザー ID を送信する
デバイスID
デバイスIDはウェブサイトの場合はクライアント ID、アプリの場合はアプリ インスタンス ID のことでありデバイスごとにIDが異なります。例えばあるユーザーがモバイルとPCでサイトにアクセスした場合にデバイスIDでユーザー識別を行うと、デバイスが異なるためモバイルとPCのアクセスは別のユーザーとして識別されます。ユーザーIDと比べると正確性は劣りますが設定は不要なためすべてのサイトで利用できる識別情報でもあります。
モデリング
モデリングはCookieの利用に同意しなかったユーザーの行動を機械学習を使ってユーザーの行動をモデル化してユーザー情報を表示します。機械学習にはCookieの利用を承諾したユーザーの行動がデータとして利用されます。この識別情報も設定が必要であり、かつモデル化するためには一定量のCookie同意数と拒否数のデータが必要となるため利用できるサイトは限定的です。
□ 関連する公式ヘルプ:[GA4] 同意モードの行動モデリング
以上がそれぞれのユーザー識別スペースの説明になります。ユーザーIDとモデリングは設定が必要であったり、使用条件があるため、何も設定していないサイトではデバイスIDでユーザー識別がされています。そのため同じユーザーでもデバイスが異なれば別のユーザーとして識別されることに注意しましょう。
Googleシグナルが削除された影響
2024年2月以前はユーザー識別スペースには前述した3つの情報に加えてGoogleシグナルがありました。Googleシグナルについては詳しくはGoogleシグナルとは?メリットや設定方法を分かりやすく解説をご覧ください。Googleシグナルによって一部のユーザーはデバイスをまたいで1人のユーザーとして識別することができましたが現在はできなくなっています。
ただしGoogleシグナルによって識別できるユーザーもGoogleアカウントにログインしておりかつ広告のカスタマイズをオンにしているユーザーと限定されているため全体の数値に与える影響は軽微であると推測されています。
レポートIDのおすすめの設定方法
設定は、デフォルト設定通り「ハイブリッド」を選びましょう。どうしてもモデリングによるデータを使いたくない(そんな方はごく少数だと思いますが)場合のみ、「計測データ」を選択してください。
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DeNAのデジタルマーケティング責任者として年間450億円を超えるECプラットフォームのマーケティングを担当。2014年に独立し、上場企業から資金調達後のスタートアップまで様々な企業のデジタルマーケティングのプロジェクトに関わり見識を広げた後、2018年3月に株式会社CALLOSUMを創業。