GA4探索レポートの使い方・作り方|テンプレート7種と設定例10選
GA4の探索レポート(データ探索)とは、標準レポートでは分析できない指標やディメンションの組み合わせ、セグメント同士の比較を、自由なレイアウトで行えるGA4の高度な分析機能です。
「探索は画面が独特で難しそう」と感じるかもしれませんが、心配はいりません。用意されたテンプレートを選べば、最初のレポートは5分程度で作成できます。実際、日々の数値確認は標準レポートで十分な一方、「ランディングページ別の成果を見たい」「コンバージョンまでの経路を追いたい」といった一歩踏み込んだ分析には探索が必須です。
この記事では、7種類のテンプレートの使い分けから、レポートの作り方5ステップ、共有・エクスポートの方法、実務でそのまま真似できる設定例10選、そして「数字が合わない」ときの対処法まで、探索レポートを業務で使いこなすための全体像を解説します。
この記事でわかること
- 探索レポートと標準レポートの違い・使い分け
- 7種類のテンプレートの選び方(目的別早見表つき)
- 探索レポートの作り方5ステップと実務で使える設定例10選
- データ保持期間・サンプリングなどつまずきの解決策
なお、GA4の初期設定や画面の見方から確認したい方は、「GA4の使い方(初期設定から分析まで)」もあわせてご覧ください。
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GA4の探索レポート(データ探索)とは?標準レポートとの違い
結論
探索レポートとは、GA4の左メニュー「探索」から使える自由分析機能です。標準レポートにない指標の掛け合わせ・セグメント比較・ユーザー単位の行動分析ができます。定型の数値確認は標準レポート、深掘り分析は探索、と役割を分けて使うのが基本です。
GA4には大きく分けて2つのレポート機能があります。ひとつは左メニュー「レポート」から見られる標準レポート、もうひとつが「探索」から使う探索レポート(公式名称はデータ探索)です。
標準レポートがあらかじめ用意された定型フォーマットであるのに対し、探索レポートは分析の切り口を自分で設計します。ディメンション(分析軸)と指標(数値)を自由に組み合わせ、表やグラフの形式も選べるため、標準レポートでは答えが出ない「なぜ?」を検証できるのが最大の特徴です。
探索レポートでできること(標準レポートとの違い)
探索レポートでできる代表的な分析は次のとおりです。
- 自由なクロス集計:ページ×チャネル×デバイスなど、任意のディメンションと指標を掛け合わせた表を作成
- ファネル分析:トップ→商品ページ→フォーム→完了のような段階別の離脱率を可視化
- 経路分析:ユーザーがどのページからどこへ遷移したかをツリー状に確認
- ユーザー単位の分析:特定の1ユーザーの行動履歴や、条件に合うユーザー群(セグメント)同士の比較
標準レポートとの主な違いは以下の表のとおりです。
| 項目 | 標準レポート | 探索レポート |
|---|---|---|
| 用途 | 日常の数値モニタリング | 深掘り分析・仮説検証 |
| カスタマイズ | 限定的(比較・フィルタ程度) | 自由(軸・指標・表形式を設計) |
| 遡れる期間 | データ収集開始以降ずっと | データ保持期間の設定に依存(最大14ヶ月) |
| 共有範囲 | プロパティの全ユーザー | 作成者のみ(共有操作で読み取り専用公開) |
| 分析手法 | 一覧表・グラフ中心 | 7種類のテンプレート(ファネル・経路など) |
とくに見落としやすいのが遡れる期間の違いです。探索レポートはイベントデータの保持期間(無料版で最大14ヶ月)までしか遡れません。詳しくは「探索レポートの数字が合わない・データが出ないときの原因と対処法」で解説します。
標準レポートと探索の使い分けの目安
使い分けはシンプルに考えて問題ありません。
- 標準レポートを使う場面:セッション数・ユーザー数などの定点観測、月次の推移確認、リアルタイムの状況把握
- 探索レポートを使う場面:ランディングページ別の成果比較、CV経路の解明、離脱ポイントの特定など「原因を探る」分析
なお、標準レポートの見方やカスタマイズを含めたレポート作成の全体像は、「GA4のレポート作成方法まとめ」で解説しています。
GA4探索レポートのテンプレートは7種類|目的別の使い分け
結論
探索のテンプレートは「自由形式」「目標到達プロセスデータ探索」「経路データ探索」「セグメントの重複」「ユーザーエクスプローラ」「コホートデータ探索」「ユーザーのライフタイム」の7種類です。迷ったら自由形式を選びましょう。実務のクロス集計の大半は自由形式でこなせます。
探索レポートは、左メニュー「探索」のテンプレートギャラリーから分析手法を選んで作り始めます。ゼロから組み立てる「空白」もありますが、まずは7種類のテンプレートを知り、目的に合うものを選ぶのが近道です。

自由形式|最もよく使う万能テンプレート
行と列に好きなディメンション、値に好きな指標を配置してクロス集計表を作るテンプレートです。表のほかに棒グラフ・折れ線・散布図・地図などの表示形式にも切り替えられます。
ページ別・チャネル別・デバイス別の成果比較など、実務の分析の8割は自由形式で対応できます。この後の「作り方5ステップ」も自由形式を題材に解説します。
目標到達プロセスデータ探索|ファネル分析
「トップページ→商品ページ→カート→購入完了」のようにステップを定義し、各段階の到達数と離脱率を可視化します。どこでユーザーが脱落しているかが一目でわかるため、フォーム改善やEC導線の見直しに最適です。
なお、旧UIでは「ファネルデータ探索」と表記されていた時期がありますが、現在の名称は「目標到達プロセスデータ探索」です。
経路データ探索|ページ遷移・行動の流れ
指定した始点(または終点)からユーザーがどの画面・イベントへ進んだかをツリー状に表示します。「トップページの次にどこを見ているか」「購入完了の直前にどのページを経由したか」のような遷移の実態把握に使います。終点からの逆引きができるのも特徴です。
セグメントの重複|ユーザー群の重なりを見る
最大3つのセグメント(例:モバイルユーザー・リピーター・CV済みユーザー)の重なりをベン図で表示します。「CVしたユーザーのうちモバイル比率はどれくらいか」といった構成の把握に向いています。
ユーザーエクスプローラ|個々のユーザー行動を追う
条件に合致した個別ユーザー(匿名ID単位)のイベント履歴を時系列で確認できます。「フォームで離脱したユーザーは直前に何をしていたか」など、定量データだけでは見えない行動の文脈を確認したいときに使います。
コホートデータ探索|定着率の分析
初回訪問週(月)などでユーザーをグループ化し、その後の再訪・継続状況を追跡します。メディアの読者定着やアプリのリテンション分析に向いたテンプレートです。
ユーザーのライフタイム|LTVの分析
ユーザー獲得からの累計収益(ライフタイムバリュー)や継続期間を分析します。ECや課金型サービスで「どのチャネル経由のユーザーが長期的に価値が高いか」を評価する際に使います。
どれを使えばいい?目的別の選び方早見表
私たちがGA4レポートテンプレートを設計する際に7種類すべてを実務検証した結果、利用頻度と目的の対応は次の表に集約できます。
| 分析したいこと | 使うテンプレート |
|---|---|
| ページ別・チャネル別・デバイス別の数値比較 | 自由形式 |
| フォーム・購入導線の離脱ポイント特定 | 目標到達プロセスデータ探索 |
| ページ遷移の実態・回遊の流れ | 経路データ探索 |
| CVユーザーの属性構成・重なり | セグメントの重複 |
| 個別ユーザーのつまずき調査 | ユーザーエクスプローラ |
| 読者・会員の定着率 | コホートデータ探索 |
| チャネル別の長期的な顧客価値 | ユーザーのライフタイム |
まず覚えるべきは自由形式・目標到達プロセス・経路データ探索の3つです。残りの4つは必要になった時点で試せば十分です。
GA4探索レポートの作り方・使い方【5ステップ】
結論
探索レポートは「①テンプレートを選ぶ→②変数(ディメンション・指標)を追加→③タブの設定に行・列・値を配置→④フィルタ・セグメントで絞り込む→⑤期間を設定して読む」の5ステップで作成できます。練習には、自由形式で「ページ別の表示回数」を出すのが最適です。
ここでは実務で最も使う自由形式を例に、「ページ別の表示回数(PV)レポート」を作る手順を通しで解説します。この5ステップの型を一度覚えれば、他のテンプレートでも操作の流れは同じです。
ステップ①テンプレート(手法)を選ぶ
GA4の左メニューから「探索」を開き、「自由形式」をクリックします。一覧にない手法を使いたい場合は「テンプレートギャラリー」を開くと、前の見出しで紹介した7種類から選べます。

作成した探索は自動保存され、探索ホームの一覧からいつでも開き直せます。あとで見返せるよう、左上の名前欄を「ページ別PV_202607」のようにわかりやすく変更しておきましょう。
ステップ②変数にディメンション・指標をインポートする
画面左端の「変数」列が、このレポートで使える材料の置き場です。初期状態では最低限の項目しか入っていないため、「ディメンション」「指標」それぞれの+ボタンから使いたい項目を追加(インポート)します。
今回の例では次を追加します。
- ディメンション(分析軸):ページパスとスクリーンクラス、デバイスカテゴリ
- 指標(数値):表示回数、セッション、総ユーザー数

ここで目当ての項目が見つからず手が止まる方が多いのですが、検索ボックスに「ページ」「セッション」などと入力すれば候補を絞り込めます。
ステップ③「タブの設定」に行・列・値を配置する
変数列の右隣「タブの設定」が、表の組み立て場所です。インポートした変数を次のようにドラッグ(またはダブルクリック)で配置します。
- 行:ページパスとスクリーンクラス
- 値:表示回数
これだけで、右側にページ別PVの表が描画されます。さらに「列」にデバイスカテゴリを置けば、ページ×デバイスのクロス集計に発展します。

表示形式は「ビジュアリゼーション」で棒グラフや折れ線にも切り替えられます。また、上部のタブは1つの探索内に複数追加できるため、「タブ1=ページ別PV、タブ2=チャネル別」のように分析をまとめて管理できます。
ステップ④フィルタ・セグメントで絞り込む
「タブの設定」最下部のフィルタに条件を設定すると、表全体を絞り込めます。たとえば「ページパスとスクリーンクラス」に「/blog/ を含む」を設定すれば、ブログ記事だけのPVレポートになります。

似た機能にセグメントがありますが、役割が異なります。
- フィルタ:表に表示するデータそのものを絞る(例:特定ディレクトリのみ)
- セグメント:条件に合うユーザー・セッション群を定義して比較する(例:モバイル vs PC)
まずはフィルタだけ使えれば実務は回ります。セグメントは比較分析が必要になってから覚えれば十分です。
ステップ⑤期間を設定してレポートを読む(期間比較も可能)
集計期間は画面右上ではなく、変数列の最上部にある期間セレクタで変更します。標準レポートと位置が違うため、最初に戸惑いやすいポイントです。
期間設定で「比較」を有効にすると、前の期間・前年の同じ期間との比較列が追加され、増減が一目で確認できます。月次報告で前月比を示したいときに便利です。

なお、期間を長く設定してもデータが出ない場合は、データ保持期間の設定が原因の可能性があります。詳しくは「探索レポートの数字が合わない・データが出ないときの原因と対処法」で解説します。
実務でそのまま使えるおすすめ探索レポートの設定例10選
結論
報告実務で使用頻度が高いのは「日別・月別レポート」「ランディングページ別レポート」「コンバージョン経路レポート」の3つです。以下の設定値(テンプレート・行・値・フィルタ)をそのまま真似れば、各レポートとも5分程度で再現できます。
ここからは、私たちが月次報告やサイト改善で実際に使っている探索レポートの設定例を10個紹介します。各表の設定値を「タブの設定」に写すだけで再現できます。
なお、GA4では2024年のアップデート以降、サイト上の成果指標を「コンバージョン」ではなくキーイベントと呼びます。以下の設定例でも現行UIに合わせてキーイベントと表記します。
日別レポート
日ごとのアクセスと成果の推移を確認する基本レポートです。急変動があった日を特定し、原因調査の起点にします。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレート | 自由形式 |
| 行 | 日付 |
| 値 | セッション、総ユーザー数、表示回数、キーイベント |
月別レポート
月次報告の土台になるレポートです。行を「月」にするだけで月別推移が完成します。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレート | 自由形式 |
| 行 | 月 |
| 値 | セッション、総ユーザー数、表示回数、キーイベント |
月別レポートの読み方や報告への落とし込みは、「GA4の探索で月別レポートを作る手順」で詳しく解説しています。
集客チャネル別レポート
どの流入経路が成果に貢献しているかを見るレポートです。エンゲージメント率を並べると、量だけでなく質も評価できます。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレート | 自由形式 |
| 行 | セッションのデフォルトチャネルグループ |
| 値 | セッション、エンゲージメント率、キーイベント |
ユーザーを最初に獲得した集客経路レポート
「そのユーザーを最初に連れてきたのはどのチャネルか」を評価するレポートです。新規獲得施策の評価はセッション単位ではなくこちらを使います。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレート | 自由形式 |
| 行 | 最初のユーザーのデフォルトチャネルグループ |
| 値 | 総ユーザー数、新規ユーザー数、キーイベント |
ランディングページ別レポート
流入の入口ページごとにセッションと成果を比較する、SEO・広告運用の定番レポートです。成果の低い入口ページがリライト候補になります。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレート | 自由形式 |
| 行 | ランディングページ+クエリ文字列 |
| 値 | セッション、キーイベント、セッションキーイベント率 |

キーイベント(コンバージョン)レポート
どの成果イベントが何件発生したかの内訳を確認します。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレート | 自由形式 |
| 行 | イベント名 |
| 値 | イベント数、総ユーザー数 |
| フィルタ | イベント名=キーイベントに設定したイベント(例:generate_lead、purchase) |
外部リンククリックレポート
サイトから外部サイトへの離脱クリックを集計します。アフィリエイトリンクや外部予約サイトへの誘導成果の測定に使えます。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレート | 自由形式 |
| 行 | リンク先URL |
| 値 | イベント数 |
| フィルタ | イベント名=click |
※拡張計測機能の「離脱クリック」がオンになっている必要があります(デフォルトでオン)。
ファイルダウンロードレポート
PDF資料やホワイトペーパーのダウンロード数をファイル別に集計します。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレート | 自由形式 |
| 行 | ファイル名 |
| 値 | イベント数、総ユーザー数 |
| フィルタ | イベント名=file_download |
※拡張計測機能の「ファイルのダウンロード」がオンになっている必要があります。
ファネル分析レポート
申し込み導線のどこで離脱しているかを可視化します。ステップは自社の導線に合わせて置き換えてください。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレート | 目標到達プロセスデータ探索 |
| ステップ例 | ①セッションの開始 → ②サービスページ表示 → ③フォームページ表示 → ④サンクスページ表示 |
| 内訳 | デバイスカテゴリ(任意) |
コンバージョン経路レポート
成果に至ったユーザーが直前にどのページを通ったかを、終点からさかのぼって確認します。
| 設定項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレート | 経路データ探索 |
| 終点 | キーイベント(例:purchase、generate_lead) |
| ノードの種類 | ページタイトルとスクリーン名 |
「始点から追う」のではなく「終点から逆にたどる」のがコツです。成果直前の共通ページがわかれば、そこへの内部導線を強化する打ち手につながります。
これら10種類を毎月作り直すのは手間がかかります。定例報告用であれば、あらかじめ設計済みのレポートテンプレートで自動化し、探索は深掘り分析に使うのが効率的です(詳しくは「毎月の探索レポート作成を自動化するならLooker Studio」で解説します)。
探索レポートの共有・エクスポート方法
結論
探索レポートは、作成した本人にしか表示されないのがデフォルトです。右上の共有アイコンから同じプロパティのユーザーに読み取り専用で共有でき、Googleスプレッドシート・CSV・PDFなどでのエクスポートも可能です。定期的なメール配信機能はないため、毎月の共有が必要な場合はLooker Studioが向いています。
「作った探索レポートがチームメンバーの画面に表示されない」という相談をよく受けますが、これは不具合ではなく仕様です。探索レポートは標準レポートと違い、作成者だけに表示されるのが初期状態です。
同じプロパティのユーザーに共有する(読み取り専用)
探索レポート右上の共有アイコンをクリックすると、同じGA4プロパティにアクセス権を持つユーザー全員が閲覧できるようになります。共有時のポイントは次の3つです。
- 読み取り専用:共有されたレポートは編集不可。閲覧者が編集したい場合は、コピーして自分の探索として複製する
- 共有範囲:共有できる相手は同じプロパティの権限保有者のみ。GA4アカウントを持たない上司やクライアントには共有できない
- 解除:共有の解除はいつでも可能
PDF・CSVでダウンロード(エクスポート)する
右上のダウンロードアイコンから、表示中のデータを次の形式で書き出せます。
- Googleスプレッドシート:そのまま加工・グラフ化したい場合
- TSV / CSV:ExcelやBIツールに取り込みたい場合
- PDF:見た目のまま報告資料に添付したい場合

GA4の権限がない相手への共有は、このエクスポートを使うのが基本です。
定期的にメールで共有したい場合は
探索レポートには、標準レポートにあるようなメール送信・定期配信の機能がありません。毎月のレポートを関係者へ配る運用では、都度エクスポートして送る手作業が発生します。
POINT
毎月の共有が前提なら、GA4のデータを自動更新して閲覧リンクで共有できるLooker Studioが便利です。コピーするだけで使える「GA4レポートテンプレート(横型)」なら、レポートを組む時間もかかりません。
探索レポートの数字が合わない・データが出ないときの原因と対処法
結論
探索レポートの「数字が合わない・データが出ない」の主な原因は、①データ保持期間(デフォルト2ヶ月)②しきい値の適用 ③サンプリング ④標準レポートとの集計方法の違い、の4つです。まず管理画面でデータ保持期間を14ヶ月に変更しておきましょう。
探索レポートで最も多いつまずきが「作ったのに数字がおかしい」「昔のデータが表示されない」というケースです。レポートテンプレートを提供する中でお客様から実際に受ける質問も、ほとんどがこの4つに集約されます。発生頻度が高い順に解説します。
データ保持期間が2ヶ月のまま(最大14ヶ月に変更する手順)
探索レポートが遡れるのは、イベントデータの保持期間の範囲だけです。この設定はデフォルトで2ヶ月になっているため、何もしていないプロパティでは「3ヶ月前のデータを見ようとしても出ない」が起こります。
管理(歯車アイコン)→「データの収集と修正」→「データの保持」で、イベントデータの保持期間を14ヶ月(無料版の最大値)に変更しておきましょう。

注意点として、この変更は設定した日以降のデータにしか効きません。すでに保持期間を過ぎて消えたデータは復元できないため、GA4導入時に真っ先に変更しておくべき設定です(参考:Googleアナリティクス ヘルプ「データの保持」)。なお、標準レポートは集計済みデータを使うため、保持期間に関係なく過去の推移を確認できます。
しきい値の適用でデータが欠ける
Googleシグナルを有効にしている場合など、個人が特定されかねない少数ユーザーのデータは「しきい値」により表に表示されないことがあります。行が歯抜けになったり、合計が他のレポートと合わなくなったりする原因です。
レポート右上のデータ品質アイコン(チェックマーク)で、しきい値が適用されているかを確認できます。アクセスの少ないサイト・短い期間・細かすぎるディメンションの組み合わせで起こりやすいため、期間を延ばす、軸を粗くするなどで影響を減らせます。
サンプリング(1,000万イベント超)で数値がぶれる
探索レポートは、集計対象が1,000万イベントを超えるとサンプリング(全量ではなく抽出データでの推計)が発生し、数値が実測とずれることがあります。こちらもデータ品質アイコンで「このレポートはデータの100%を使用しています」かどうかを確認できます。
対処はシンプルで、集計期間を短く区切ることです。なお、月間数十万セッション規模までのサイトであれば、通常の期間設定でサンプリングに達することはほとんどありません。
標準レポートと数値が一致しないのは仕様
「探索と標準レポートでセッション数が微妙に違う」のは、多くの場合どちらかが間違っているわけではありません。標準レポートは事前集計されたテーブルから、探索は生のイベントデータからその場で集計するため、処理タイミングやしきい値の影響で差が出ることがあります。
数%程度の差は仕様と割り切り、同じレポート同士で推移を比較する(探索は探索と、標準は標準と比べる)のが実務上の正しい付き合い方です。
毎月の探索レポート作成を自動化するならLooker Studio
結論
探索レポートは深掘り分析には強い一方、「毎月の作り直し」「共有相手にGA4権限が必要」「データは最大14ヶ月」という報告用途の弱点があります。定例報告はLooker Studioに任せ、探索は分析に専念させるのが効率的な使い分けです。
探索レポートとLooker Studioの使い分け
ここまで見てきたとおり、探索レポートには報告用途で使うには不便な点があります。
| 項目 | 探索レポート | Looker Studio |
|---|---|---|
| データ更新 | 期間を毎回設定し直す | 自動で最新化 |
| 共有 | 同じプロパティの権限保有者のみ | URLを知っていれば誰でも閲覧可(権限不要) |
| 遡れる期間 | データ保持期間まで(最大14ヶ月) | 制限なし(GA4公式コネクタ経由) |
| 定期配信 | なし | メール配信機能あり |
| 向いている用途 | 深掘り分析・仮説検証 | 定例報告・モニタリング |
つまり「分析は探索、報告はLooker Studio」が最も無駄のない分担です。特に過去データを無制限に遡れる点は、前年同月比や長期トレンドを扱う月次報告でLooker Studioが決定的に有利です。まず無料で試したい方は、「無料で使えるGA4向けLooker Studioテンプレート」もご覧ください。
コピーするだけで使えるGA4レポートテンプレート
「Looker Studioでレポートを組む時間がない」という方向けに、インハウスプラスではコピーするだけで数分で使い始められるGA4レポートテンプレートを提供しています。集客から成果までを網羅した99ページの万能型で、月次の定例報告にも日々のモニタリングにもそのまま使えます。Webアナリスト小川卓氏が顧問として参画し、3,000社以上に導入いただいているレポート品質です。
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GA4探索レポートに関するよくある質問(FAQ)
GA4の探索レポートとは何ですか?
標準レポートでは分析できない指標・ディメンションの組み合わせやセグメント比較を自由に行える、GA4の高度な分析機能です。左メニューの「探索」から追加費用なしで利用できます。
探索レポートで期間比較はできますか?
できます。変数列上部の期間設定で「比較」を有効にすると、前の期間や前年の同じ期間と並べて増減を確認できます。
探索レポートはいくつまで作成できますか?
1ユーザーあたり・1プロパティごとに200件まで作成でき、1プロパティで共有できる探索は500件までです(出典:Googleアナリティクス ヘルプ「データ探索ツールを使ってみる」)。上限に達することは稀ですが、不要な探索は定期的に削除すると一覧が管理しやすくなります。
探索レポートを毎月自動でメール配信できますか?
探索レポートに定期配信機能はありません。PDFやCSVを手動でエクスポートして送るか、定期配信が必要な場合はメール配信機能のあるLooker Studioでレポートを作成するのが現実的です。
探索レポートのデータはいつまで遡れますか?
データ保持期間の設定に依存し、無料版では最大14ヶ月です。デフォルトは2ヶ月のため、管理画面の「データの保持」から14ヶ月へ変更しておくことをおすすめします。
まとめ|探索レポートは「テンプレート選び」から始めよう
GA4探索レポートの要点は次の5つです。
- 探索レポートは、標準レポートでは出せない切り口を自由に分析できる機能。定点観測は標準レポート、深掘り分析は探索と使い分ける
- テンプレートは7種類。まずは自由形式・目標到達プロセス・経路データ探索の3つを覚えれば実務の大半に対応できる
- 作り方は「テンプレート選択→変数の追加→タブの設定に配置→フィルタ→期間設定」の5ステップ
- つまずいたら「データ保持期間・しきい値・サンプリング・集計方法の違い」の4つを疑う。保持期間の14ヶ月化は今すぐ設定
- 毎月の定例報告はLooker Studioで自動化し、探索は分析に集中させる
まずは自由形式で「ページ別の表示回数」を作るところから始めてみてください。5分の練習で、探索の画面はぐっと身近になります。
GA4の初期設定や標準レポートの見方も含めて学びたい方は、「GA4の使い方ガイド」をご覧ください。
探索は分析に、報告はテンプレートに。
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GA4テンプレートを比較するDeNAのデジタルマーケティング責任者として年間450億円を超えるECプラットフォームのマーケティングを担当。2014年に独立し、上場企業から資金調達後のスタートアップまでさまざまな企業のデジタルマーケティングのプロジェクトに関わり見識を広げた後、2018年3月に株式会社CALLOSUMを創業。
