【無料で簡単】初心者にやさしいLooker Studio使い方解説
Webサイトの運営や広告出稿をしていると、「どのページがよく見られているのか」「広告の成果はどうか」など、データをわかりやすく確認したい場面がたくさんあります。
そんなときに役立つのが、Googleが提供する無料のレポート作成ツール「Looker Studio(旧称:データポータル)」です。
Looker Studioを使えば、GA4(Googleアナリティクス4)やGoogle広告、スプレッドシートなど、さまざまなデータを自動で取り込み、グラフや表で見やすく表示できます。しかも、レポートはリアルタイムで更新され、共有や共同編集も可能です。
「専門知識がないと難しそう…」と思う方も多いかもしれませんが、実際にはテンプレートやガイドを活用すれば、初心者でも十分に使いこなすことができます。操作はGoogleスプレッドシートのような感覚で進められるので、はじめての方にもおすすめです。
本記事では、3,000社以上の企業が導入しているLooker Studioテンプレートサービス「インハウスプラス」を運営する私が、Looker Studioの基本から、便利な機能、使い方の手順、トラブル対応、テンプレート活用法までをわかりやすく解説します。これからデータ活用を始めたい方、レポート作成を効率化したい方は、ぜひ参考にしてください。
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Contents
Looker Studioの基本情報と特徴
Looker Studioとは?
Looker Studio(ルッカースタジオ)は、Googleが提供する無料のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。
以前は「Google データポータル(Data Portal)」という名前でしたが、2022年に「Looker Studio」としてリブランディングされました。
このツールの最大の特徴は、複数のデータをグラフや表などにまとめて、レポートとして視覚的にわかりやすく表示できることです。
たとえば、GA4(Googleアナリティクス4)、Google広告、Googleスプレッドシート、BigQueryなどのサービスと連携することで、散らばったデータを1つのダッシュボードに統合して確認できます。
(例:GA4の全体サマリレポート)
企業のマーケティング担当者だけでなく、Webサイトの運用者や個人事業主など、「数字をわかりやすく整理したい」すべての人に役立つツールです。無料で始められることから、多くのユーザーに支持されています。
Looker Studioでできること
Looker Studioを活用すると、以下のようなさまざまなことが可能になります。
様々なデータソースと接続
Looker Studioは、GA4(Googleアナリティクス4)やGoogle広告、スプレッドシート、BigQuery、さらにはMeta広告やYahoo!広告など、1,000種類以上のデータソースと連携できます。これにより、異なるプラットフォームのデータを1つのレポートにまとめて管理・分析できます。
データの可視化
GA4やスプレッドシートなどのデータを、折れ線グラフ・棒グラフ・円グラフ・表などにして、ひと目で状況を把握しやすくします。
レポートの自動更新
接続しているデータソースの情報は、Looker Studio上で自動的に更新されるため、毎回手動で作り直す必要がありません。
共有と共同編集
Googleドライブと同じように、他のユーザーとレポートを共有したり、同時編集することも可能です。チームでの活用にも適しています。
テンプレート活用
Looker Studioには、あらかじめ作られたレポートのひな形(テンプレート)もあり、初心者でもすぐに見やすいレポートを作成できます。
□ 関連記事:Looker Studio初心者向けテンプレート活用術
カスタマイズ性が高い
必要な指標(例:ページビュー、コンバージョン、広告費など)やレイアウトを自由に調整できるため、目的に応じたレポート作成が可能です。
このように、Looker Studioは「複数のデータを効率よく集約し、わかりやすく伝える」ための強力なツールです。特に、日々のデータ確認や報告業務の効率化を目指す方にとっては、非常に頼れる存在といえるでしょう。
Looker Studioの料金プランとPro版の特徴
Looker Studioには、「無料版」と「有料版(Looker Studio Pro)」の2つのプランがあります。どちらもGoogleアカウントがあればすぐに利用できますが、基本的には多くのユーザーが無料版で十分な機能を活用できます。ここでは、それぞれの違いと、Pro版が必要となるケースについてご紹介します。
無料版と有料版(Looker Studio Pro)の違い
Looker Studioの無料版は、個人ユーザーから一般的な企業まで幅広く利用できる非常に充実したプランです。GA4やGoogle広告、スプレッドシートなどの主要データとの接続、レポート作成・共有といった基本機能は、すべて無料で提供されています。
一方、有料版のLooker Studio Proは、主に大規模組織やエンタープライズ企業向けに設計されています。より高度なセキュリティ管理やユーザー権限の細分化、組織全体での統合管理といった機能が備わっており、社内の情報ガバナンスが重要な大企業にとっては有効な選択肢です。
Looker Studio Pro版の料金と機能一覧
Looker Studio Proは、1ユーザーあたり月額9ドルから利用できます。Google Workspaceと連携することで、ユーザーや権限の一括管理も可能になります。
Pro版の主な機能は以下の通りです:
機能カテゴリ | 概要 |
---|---|
チーム管理 | 複数ユーザーでのレポート・データソースの一括管理 |
共有設定の制限 | 社外への共有制限や、組織内だけの公開が可能 |
SLAとサポート | Googleのエンタープライズ向けサポート付き(別途料金) |
どんな人・企業にLooker Studio Pro版がおすすめか?
Looker Studio Proは、以下のようなエンタープライズ規模の組織や、厳格なセキュリティ・管理要件を持つ企業に向いています:
- 情報セキュリティポリシーが厳しい大企業
- 複数部門・大人数でのレポート運用が必要な組織
- Google Workspaceでの一元管理を前提とした運用環境
一方で、中小企業や個人、またはマーケティングチームが基本的なレポートを作成・共有する目的であれば、無料版で十分に対応可能です。Looker Studioの無料版は機能が豊富で、コストをかけずに高品質なデータレポートを作成できる優れた選択肢といえます。
このように、Looker Studioは無料でも非常に高機能なツールです。多くのユーザーにとっては、無料版で十分に業務をカバーできるでしょう。必要になったタイミングでPro版を検討するのがおすすめです。
□ 関連記事:Looker Studio Proとは?
Looker Studioのメリット・デメリット
メリット:多様なデータ接続・レポートの自動更新
Looker Studioの大きなメリットの一つは、様々なデータソースと簡単に接続できることです。
GA4(Googleアナリティクス4)やGoogle広告、YouTube、GoogleスプレッドシートといったGoogle製品はもちろん、Meta広告、Yahoo!広告、BigQueryなど外部のデータソースにも対応しています。公式またはサードパーティ製の「コネクタ」を使えば、対応範囲は1,000種類以上にのぼります。
また、一度データソースを接続してレポートを作成すれば、毎回手動でデータを更新する必要がありません。Looker Studioが自動で最新のデータを読み込み、レポートに反映してくれるため、定期レポート作成の手間を大幅に削減できます。
たとえば「毎週のアクセス数レポート」や「月次の広告効果レポート」なども、作成済みのレポートを開くだけで最新データが表示されるため、時間や工数の節約につながります。
デメリット:「使いにくい」と言われる理由と対策
一方で、Looker Studioには「使いにくい」と感じる声もあります。特に初心者の方がつまずきやすいポイントとして、以下のような点が挙げられます。
- 操作画面が独特で直感的ではないと感じる
→ 表示される用語やレイアウトが、ExcelやGoogleスプレッドシートに比べてやや専門的で、最初は戸惑うことがあります。 - 用語や概念が難しい(ディメンション/指標など)
→ 「ディメンション(分類項目)」や「指標(数値項目)」など、GA4と同様の分析用語に慣れる必要があります。
こうした「使いにくさ」は、テンプレートの活用や、導入ステップを丁寧に確認することで大きく改善できます。最近では、Looker Studioの操作方法を解説した記事やチュートリアル動画も増えており、初心者でも安心して学べる環境が整っています。
□ 関連記事:Looker Studioは使いにくい?原因と対策を分かりやすく解説
他のBIツールとの比較(Tableau・Power BIなど)
Looker Studioは、無料で使える点やGoogleサービスとの親和性が高いことから、多くのユーザーに選ばれています。ここでは、他の代表的なBIツールと比較して、Looker Studioの特徴を見てみましょう。
項目 | Looker Studio | Tableau | Power BI |
---|---|---|---|
料金 | 基本無料(Proは有料) | 有料(年額制) | 無料版あり(Proは有料) |
データ連携 | Google製品との連携に強い | 多様な業務システムと連携可能 | Microsoft製品との連携に強い |
操作性 | 直感的だがやや慣れが必要 | 高機能で柔軟性が高い | Excelライクな操作で扱いやすい |
拡張性 | テンプレート中心で簡単 | 複雑なデータ処理やダッシュボード構築が得意 | クラウド連携やAI分析が可能 |
このように、Looker Studioは「無料で始められる」「Googleサービスとの相性が良い」点で特に強みを持っています。
一方で、より複雑な分析や大規模なシステム連携が必要な場合は、TableauやPower BIの導入も検討の余地があります。
Looker Studioの始め方・初期設定ガイド
Looker Studioを使い始めるには、Googleアカウントがあればすぐに利用できます。ここでは、アカウント作成から最初のレポート作成までの基本的な流れをご紹介します。
アカウント作成とログイン方法
Looker StudioはGoogleが提供する無料のツールなので、Googleアカウントを持っていればすぐに使い始めることができます。
すでにGmailやGoogleアナリティクスを使っている方であれば、そのアカウントでそのままログインできます。
【アカウント作成(ログイン)の手順】
- Looker StudioのTOPページ にアクセスします
- 画面中央左の「USE IT FOR FREE」をクリック
- 初回のみ利用規約への同意が求められます。内容を確認して同意しましょう
これでLooker Studioを使う準備は完了です!
ログイン後は、すぐに新しいレポートを作成したり、テンプレートを利用したりすることができます。
レポートの作成手順と基本の構成
Looker Studioでのレポート作成は、基本的に以下の3ステップで進みます。
【1】新しいレポートの作成
ログイン後の画面にある「空のレポート」ボタンをクリックすると、新しいレポートの編集画面が開きます。

【2】データソースを接続
最初に、どのデータを使うかを選びます。代表的なものは以下の通りです:
- GA4(Googleアナリティクス4):Webサイトのアクセス状況を分析できます
- Googleスプレッドシート:手元のデータを自由にグラフ化できます
- Google広告やSearch Console:広告成果や検索データを可視化できます
「データを追加」から使いたいサービスを選び、アクセス権を許可すれば、すぐにレポートにデータが表示されます。
【3】グラフや表を追加して構成を整える
データが表示されたら、画面上部のメニューから「グラフ」「スコアカード」「表」などを選んで、自由にレイアウトを組み立てていきます。
各要素はドラッグ&ドロップで簡単に配置でき、見た目やサイズもカスタマイズ可能です。
データソースの接続と設定(GA4とスプレッドシート)
Looker Studioを使ってレポートを作成するには、まず「どのデータを使うか」=データソースの接続が必要です。
ここでは、特に利用者の多いGA4(Googleアナリティクス4)とGoogleスプレッドシートの接続方法について、それぞれ詳しく解説します。
GA4データソースの設定と接続方法
GA4(Googleアナリティクス4)は、Webサイトやアプリに訪れたユーザーの行動データを記録・分析するGoogleの無料アクセス解析ツールです。Looker Studioと接続することで、アクセス数やコンバージョン(成果)などのデータを視覚的に表示できます。
【接続手順】
- Looker Studioにログインし、「レポートを作成」をクリック
- 「データを追加」→「Google アナリティクス」を選択
- Googleアカウントの連携を求められた場合は「許可」
- 接続したいGA4プロパティ(計測対象のサイトやアプリ)を選択
- 「接続」をクリックすると、GA4のデータがレポートに反映されます
【補足ポイント】
- GA4の「ディメンション(分類項目)」や「指標(数値項目)」の意味を理解しておくと、より効果的にデータを表示できます
- 「イベント数」「ユーザー数」「ページタイトル」などがよく使われる項目です
□ 関連記事:GA4×Looker Studio活用ガイド
Googleスプレッドシートデータソースの設定と活用例
Googleスプレッドシートをデータソースにすることで、GA4や広告データ以外の情報もレポート化できます。
たとえば、予算管理表や手動で集計した売上データなどを、Looker Studio上でグラフ化・分析できるようになります。
【接続手順】
- レポート編集画面で「データを追加」→「Google スプレッドシート」を選択
- 表示されたファイル一覧から、接続したいスプレッドシートを選択
- シート名を選び、「接続」をクリック
- シートの内容がそのままテーブル(表)として読み込まれます
【活用例】
活用ケース | スプレッドシートで管理 → Looker Studioで可視化 |
---|---|
広告費の月別推移 | 広告媒体ごとの金額を表形式で管理 → 棒グラフで表示 |
キャンペーンの成果 | 手入力の成果件数や費用 → 成果単価を計算し、指標化 |
営業成績の集計 | 担当者別・月別の売上データ → ダッシュボードに反映 |
【補足ポイント】
- スプレッドシートは「1行=1件のデータ」「1列=項目名」という構成にすると、Looker Studioで扱いやすくなります
- 日付形式や数値形式を正しく統一しておくことで、グラフが正確に表示されます
□ 関連記事:Googleスプレッドシート×Looker Studio活用ガイド
GA4とスプレッドシートの両方を活用すれば、自動取得データ(GA4)と手動管理データ(表)を一元管理できるため、より実用的なレポートを構築できます。
Looker Studioの基本的なレポート作成方法
Looker Studioでのレポート作成は、「何を表示するか(データ項目)」と「どう見せるか(グラフやデザイン)」を組み合わせることで進めていきます。ここでは、よく使われる基本機能を3つのステップに分けて解説します。
グラフ・スコアカード・表の追加方法
Looker Studioでは、様々なビジュアルコンポーネント(表示パーツ)を使ってデータを見やすく表現できます。代表的なものは以下の3つです:
- グラフ(折れ線グラフ・棒グラフ・円グラフなど):数値の推移や割合を視覚的に把握できます
- スコアカード:一つの数値(例:ユーザー数、CV数など)を大きく目立たせて表示できます
- 表(テーブル):複数の項目を一覧で表示し、詳細な比較がしやすくなります
【追加手順】
- レポート編集画面で、上部メニューの「挿入」をクリック
- 「折れ線グラフ」や「スコアカード」などの表示形式を選択
- レポート上の好きな場所に配置(ドラッグ&ドロップ)
- 右側の「データ」パネルで表示したい項目(ディメンション・指標)を設定
配置後は、表示内容やデザインをカスタマイズすることも可能です。
□ 関連記事1:Looker Studioの期間グラフの使い方
□ 関連記事2:Looker Studioのスコアカードの使い方
□ 関連記事3:Looker Studioの表グラフの使い方
ディメンションと指標の設定方法
Looker Studioでグラフや表に表示するデータを設定する際に重要なのが、「ディメンション」と「指標」です。
- ディメンション(分析軸):データを分類するための項目です(例:日付、国、ページタイトルなど)
- 指標:数値として集計・分析する項目です(例:ユーザー数、セッション数、売上など)
【設定方法】
- 表示したいグラフや表をクリックして選択
- 右側の設定パネル「データ」タブから、「ディメンション」と「指標」を選択
- 必要に応じて「ソート順」や「フィルタ」などを追加して条件を絞り込む
たとえば、「日付」をディメンション、「ユーザー数」を指標に設定すれば、日ごとのアクセス数の推移をグラフで表示できます。
レポートのレイアウトとデザイン調整
見やすく伝わるレポートを作るには、レイアウトやデザインの調整も重要です。
【調整のポイント】
- 位置やサイズの調整:表示パーツは自由に移動・拡大縮小できます。項目ごとにバランスよく配置しましょう
- タイトルや背景の追加:説明を加えたい場合は「テキスト」機能を使って見出しや注釈を追加できます
- 色やフォントの変更:右側の「スタイル」タブで、色・フォント・枠線などをカスタマイズできます
また、レポートの全体設定では、キャンバスサイズ(ページの横幅や縦幅)やグリッドの表示も調整できるため、整ったデザインが簡単に実現できます。
このように、Looker Studioでは「データ項目の選定」と「見せ方の工夫」を組み合わせることで、伝わりやすく・使いやすいレポートを作ることができます。初心者の方は、最初はテンプレートを参考にしながらカスタマイズするのもおすすめです。
Looker Studioの便利な機能とテクニック
Looker Studioには、基本的なレポート作成だけでなく、データをさらに深く分析したり、見やすく整理したりするための便利な機能が多く備わっています。ここでは、よく使われる4つのテクニックをご紹介します。
フィルタの設定と活用法
フィルタとは、表示するデータの条件を絞り込む機能です。たとえば「特定のページだけを表示する」「スマホからのアクセスだけを見る」など、必要な情報だけを抜き出すことができます。
【フィルタの種類】
- レポートの編集者が事前に設定できるタイプ
- レポートの閲覧者が自由に条件を変更できるインタラクティブなタイプ
【活用ポイント】
- 広告別・流入元別など、レポートの比較分析に最適です
- 見たいデータだけを抽出することで、無駄のないレポートが作れます
□ 関連記事:Looker Studioのフィルタの使い方
期間設定と活用法
Looker Studioでは、レポートに日付を自由に指定できるコントロール機能を追加できます。これにより、ユーザー自身が見たい期間を指定して、過去データを振り返ったり、最新の状況を確認したりできます。
【設定手順】
- レポート編集画面で「コントロール」→「期間設定」を選択
- 任意の場所に配置すると、日付選択メニューが表示されます
- レポート全体、または特定のグラフだけに期間設定を適用可能
【活用ポイント】
- 週単位、月単位、四半期ごとの変化を比較しやすくなります
- ユーザーが自分で期間を切り替えられるので、柔軟なレポート運用ができます
□ 関連記事:Looker Studioの期間設定
計算フィールドの作成と応用テクニック
計算フィールドとは、既存のデータを使って自分で新しい数値や指標を作る機能です。たとえば、「CV数 ÷ クリック数」でコンバージョン率を求めるような使い方ができます。
【作成手順】
- レポート編集画面で「指標を追加」をクリック
- 「計算フィールドを追加」ボタンをクリック
- フィールド名と計算式を入力(例:
Conversions / Clicks
)して保存
【活用例】
- 成果単価(CPA) = 広告費 ÷ コンバージョン数
- 直帰率 = セッションのうち1ページだけ閲覧した割合
- 税込み金額 = 税抜金額 × 1.1 など
【ポイント】
- 数式の知識がなくても、Googleスプレッドシートのような関数感覚で使えます
- 見たい指標を自由に作れるため、ビジネスに最適化したレポートが実現できます
□ 関連記事:Looker Studioの計算フィールド
統合データによる複合分析
統合とは、異なるデータソースを組み合わせて1つのグラフや表で分析できる機能です。
たとえば「GA4のアクセス数」と「スプレッドシートで管理している売上データ」を統合して、アクセス×売上の相関分析などができます。
【設定手順】
- 複数のデータソースをLooker Studioに接続
- 「リソース」→「統合を管理」から新規作成
- 共通のキー(例:日付、キャンペーン名など)を指定して結合
【活用例】
- GA4のセッション数 × 広告費(スプレッドシート)→ 1クリックあたりの費用を算出
- 各店舗のアクセス数(GA)× 実売上(手入力データ)→ 売上効率を比較
【注意点】
- 結合キー(共通項目)の整合性がないと、うまく結合されません
- データ形式(日付・数値など)をあらかじめ揃えておくのがポイントです
これらのテクニックを活用すれば、より深く、柔軟にデータを分析できるレポートを作成できます。はじめは難しそうに感じるかもしれませんが、少しずつ使い慣れていくことで、業務に役立つレベルのダッシュボードが構築できるようになります。
レポート共有とコラボレーション
Looker Studioの大きな魅力のひとつは、作成したレポートを簡単に他の人と共有し、共同で編集・活用できることです。GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートと同じような操作感で使えるため、チームでの情報共有や、社内外へのレポート提出にも適しています。ここでは、主な共有方法と活用テクニックを解説します。
チームメンバーとの共有
作成したレポートは、URLを共有するだけで他の人と簡単に閲覧・編集ができます。共有範囲は細かく設定できるため、「見るだけの権限」や「編集可能な権限」など、目的に応じて柔軟に管理できます。
【共有手順】
- レポートの編集画面右上にある「共有」ボタンをクリック
- 「ユーザーを追加」から、共有したい相手のメールアドレスを入力
- 権限(閲覧のみ/編集可)を選択し、「送信」をクリック
また、組織全体に共有したい場合は、「リンクを知っている全員が閲覧可」などの設定も可能です。
□ 関連記事:Looker Studioの共有方法
PDFダウンロード
レポートを紙媒体やプレゼン資料として活用したいときは、PDF形式でのダウンロードが便利です。ページ単位で保存できるため、クライアントや上司への報告資料としても活用しやすくなります。
【ダウンロード手順】
- レポートの画面右上「共有」の横にある「▼」アイコンをクリック
- 「レポートをダウンロード」を選択
- 表示範囲(すべてのページ or 指定ページ)を選び、「ダウンロード」を実行
【活用シーン】
- 定例会議用の資料として印刷・配布
- オフラインでの共有やバックアップ用として保存
- メール添付でクライアントにレポート送付
□ 関連記事:Looker StudioのPDFダウンロード
自動メール配信の設定
Looker Studioには、作成したレポートを定期的にメールで自動送信する機能もあります。毎週や毎月など、決まったタイミングで関係者に最新のデータを届けられるため、報告業務の自動化に役立ちます。
【設定手順】
- レポート画面右上の「共有」の横にある「▼」アイコンををクリック
- 「配信のスケジュール」を選択
- 配信先のメールアドレス、送信頻度(例:毎週月曜9時など)、PDF添付の有無を設定
- 「保存」をクリックすると、指定通りにメールが自動送信されます
【活用ポイント】
- 毎月の月次レポートを関係者に自動配信
- 営業チームや広告代理店など、多くの人に一括送信
- 配信内容をPDFで添付すれば、閲覧のみのユーザーにも安心して届けられます
□ 関連記事:Looker Studioの自動メール配信
このように、Looker Studioは「作って終わり」ではなく、「共有して活用する」ための機能が充実しています。個人作業だけでなく、チーム全体の情報共有やレポーティング業務を効率化するツールとしても非常に優秀です。
Looker Studioテンプレートの活用法
Looker Studioには、あらかじめ作られたテンプレート(=レポートのひな形)が用意されています。テンプレートを活用すれば、ゼロからレポートを作成する手間を省きつつ、見やすく、伝わりやすいダッシュボードを簡単に作ることができます。
無料・有料テンプレートの比較と選び方
テンプレートには、大きく分けて無料テンプレートと有料テンプレートがあります。それぞれの特徴を理解して、目的やスキルに合ったものを選ぶことが大切です。
項目 | 無料テンプレート | 有料テンプレート |
---|---|---|
費用 | 無料 | 有料(数千円〜月額課金など) |
入手場所 | Googleの公式テンプレートギャラリー、ブログ記事、各種配布サイト | テンプレート販売サイト、ツールベンダー(例:インハウスプラス など) |
内容の充実度 | シンプルな構成が中心 | 実務で使えるプロフェッショナルな詳細設計(業務での利用を想定) |
カスタマイズ性 | 自由(ただし自己責任) | 一部ガイド付き、用途別にカスタマイズ設計済みのことも |
選び方のポイント:
- はじめて使う方 → 無料テンプレートで基本的な仕組みに慣れるのがおすすめ
- 実務に使いたい方 → 業種や目的に合わせた有料テンプレートを選ぶと時短&高品質
Looker Studioテンプレートの入手方法・導入の流れ【無料&有料】
【無料テンプレートの入手方法】
- Google公式テンプレートギャラリー にアクセス
- 使いたいテンプレートを選択
- 「編集して共有」ボタンをクリックして、自分のデータソースに差し替え
また、個人ブログや企業の資料配布ページでも、「Looker Studio テンプレート 無料」などで検索すると、役立つテンプレートが見つかります。
【有料テンプレートの入手方法】
- テンプレート販売サイト(例:インハウスプラス、海外ベンダーなど)にアクセス
- 商品説明やデモレポートを確認し、購入手続きを行う
- 決済完了後、テンプレートのURLまたはコピー用リンクが提供される
- マニュアルに従って、テンプレートをコピーしレポートを作成
Looker Studioテンプレートの使い方手順【導入から編集まで】
次に、テンプレートを使ったレポート作成方法を詳しく解説します。ここでは、Google公式レポートギャラリーのGA4の無料テンプレートを例に、初心者でも迷わず操作できるよう、使い方を5つのステップでわかりやすく解説します。
ステップ①:データソースを作成する
Looker Studioの画面左上にある「作成」ボタンをクリックし、メニューから「データソース」を選択します。

次に、接続可能なコネクタの一覧が表示されるので、「Google アナリティクス」をクリックしてください。

その後、次の2つを順に選び、選択が完了したら、画面右上の「接続」ボタンをクリックします。
- アカウント(例:会社名などの組織)
- プロパティ(例:対象サイト)

この画面が出たら、データソースの作成が完了です。その際、画面左上に表示されるデータソース名は、あとで見分けやすいように変更しておくのがおすすめです。

ステップ②:テンプレートをコピーする
今回の例では、「Google公式レポートギャラリーにあるGA4の無料テンプレート」を使用します。このテンプレートを開いておきましょう。
テンプレートのページを開いたら、画面右上にある「編集して共有」をクリックします。

次にこの画面が表示されたら、画面右上にある縦の三点リーダー(︙)をクリックし、「コピーを作成」を選択します。

ステップ③:データソースを自分のものに切り替える
テンプレートはもともと、作成者のデータソースと接続されています。そのため、自分のGA4データに差し替える必要があります。
新しいデータソースとして、ステップ①で作成したGA4のデータソースを選択し、「レポートをコピー」をクリックすると、テンプレート内のすべてのグラフや表があなたのデータに置き換えられた新しいレポートが完成します。

ステップ④:カスタマイズして使いやすくする
自分のGA4データに切り替わったレポートが完成したら、表示項目や色、レイアウトを自分用にカスタマイズしましょう。
▶ よくあるカスタマイズ例:
- ロゴやブランドカラーの変更
- グラフの指標(例:クリック数→CV数)を変更
- 表示項目の並び順や不要なチャートの削除
- 表示期間のデフォルト設定
すべての編集はドラッグ&ドロップ、またはクリック操作で行えるので、PowerPoint感覚で直感的に扱えます。
ステップ⑤:レポートを共有する
レポートが完成したら、用途にあわせて共有しましょう。
▶ 便利な共有方法例:
- レポートURLをメンバーに共有
- PDFでダウンロードして報告資料を作成
- 関係者に定期的に自動メール配信
□ 関連記事:Looker Studioの共有方法
テンプレートを上手に活用すれば、「伝わるレポート」を最短で作成できます。初心者の方こそ、まずはテンプレートを使って、Looker Studioに慣れていくのがおすすめです。
よくある質問・トラブルシューティング
Looker Studioは便利なツールですが、初めて使う方にとっては「うまく表示されない」「接続できない」といったトラブルに出会うこともあります。ここでは、特によくある3つのトラブルとその対処法をご紹介します。
対象アカウント(GA4のプロパティなど)が選択できないときの対処法
Looker StudioでGA4(Googleアナリティクス4)のデータを使おうとしたときに、接続したいプロパティ(=計測対象のサイトやアプリ)が表示されないことがあります。
このような場合は、以下の点を確認してください。
✅ 対処法チェックリスト
- 正しいGoogleアカウントでログインしているか確認
GA4とLooker Studioで別のGoogleアカウントを使っていると、プロパティが表示されません。 - GA4のプロパティに「閲覧以上」の権限があるか確認
Looker Studioで使用するには、少なくともGA4の「閲覧者」以上のアクセス権限が必要です。権限がない場合は、GA4の管理者に依頼しましょう。 - GA4がまだデータを収集していない可能性
作成したばかりのGA4プロパティは、しばらくデータが出ない場合があります。数時間〜1日待ってから再接続を試してみてください。
GA4のAPIリクエスト上限によるデータ読み込みエラーの解決方法
Looker StudioとGA4は、API(アプリ同士のデータ通信の仕組み)を使ってデータをやり取りしていますが、Google側で1日に使用できる回数に上限が設定されています。
この上限に達すると、「Looker Studioではデータセットに接続できません。同時リクエストの数が割り当ての上限に達しました。」のようなエラーが表示されることがあります:
✅ 解決方法
- ページの再読み込みを試す(軽微なエラーなら解消されることがあります)
- 同じレポートの閲覧者が多すぎないか確認する(一時的な閲覧集中で上限に達するケースがあります)
- レポート内のグラフ数・期間の長さを減らす(取得データ量を抑えることで負荷を軽減できます)
- レポートを複数に分ける(1レポートに表示項目を詰め込みすぎない)
□ 関連記事:GA4のAPI割り当て上限によるエラー
パフォーマンス改善のヒント
Looker Studioは柔軟性が高い一方で、重たいレポートになると読み込みが遅くなることがあります。特に、表示データ量が多かったり、複雑なグラフが多いと、表示に時間がかかるケースがあります。
✅ 表示スピードを改善するコツ
- 表示期間を絞る(例:過去30日→過去7日)
- 不要なグラフや表を削除する(本当に必要な指標だけ残す)
- ページを分けて構成する(1ページあたりの情報量を減らす)
- データソースを抽出データソースに切り替える(大量データを扱う場合に有効)
- 計算フィールドやブレンディングの使いすぎに注意する(処理が重くなります)
こうした工夫をすることで、見やすさとパフォーマンスのバランスが取れたレポートに仕上げることができます。
トラブルに直面したときは慌てず、1つずつ原因を切り分けて対処していくことが大切です。また、Googleの公式ヘルプやコミュニティも充実しているので、困ったときには活用すると安心です。
Looker Studioの学習に役立つ公式リソース集
Looker Studioは多機能なツールですが、初めて使う方にとっては「どこから学べばいいの?」「操作方法がよくわからない…」と感じることもあるかもしれません。
そんなときは、Google公式のヘルプやチュートリアル、コミュニティを活用することで、効率よくスキルを身につけることができます。
初心者向け学習ステップと公式ヘルプ
Looker Studioを初めて学ぶ際は、以下のようなステップ形式で進めるのがおすすめです。
【学習ステップの例】
- Looker Studioとは何かを理解する
→ ツールの目的やできることをざっくり把握します。 - テンプレートを使って基本的なレポートを体験する
→ 操作に慣れながら、見た目や構造を学びます。 - 自分のデータでレポートを作ってみる
→ Googleアナリティクスやスプレッドシートを使って、実際の分析を試します。 - フィルタや期間指定などの便利機能を覚える
→ 見せたいデータを自由にカスタマイズできるようになります。 - トラブル時の対処法や共有方法を確認する
→ 実務でも安心して使えるようになります。
【おすすめの公式ヘルプ】
- Looker Studio ヘルプセンター(Google公式)
→ 基本操作、トラブル対応、機能一覧などが丁寧に解説されています。
実践力を高めるコミュニティとチュートリアル
Looker Studioをもっと使いこなしたい方は、他のユーザーと交流できるコミュニティや、実践的なチュートリアルも活用すると効果的です。
【学習に役立つリソース】
- Looker Studio コミュニティフォーラム
→ Looker Studio Community(英語)
→ Looker Studio 日本人コミュニティ(日本語)
世界中のユーザーと質問・回答をやりとりできる公式コミュニティです。 - YouTubeやブログの実践チュートリアル
→ 「Looker Studio 使い方」などで検索すると、テンプレート紹介や応用機能の解説など、豊富な実例を見ることができます。 - 日本国内の有志コミュニティ(XやSlack)
→ 「#lookerstudio」などのハッシュタグで検索すると、Tipsやテンプレート共有が見つかることもあります。
これらの公式リソースやコミュニティをうまく活用することで、独学でも実践的なスキルを効率よく習得することができます。最初はわからないことも多いですが、少しずつ慣れていけば、日々の業務に大きく役立つツールになります。
Looker Studioを導入するならインハウスプラス
「Looker Studioは便利そうだけど、自分で設定するのは難しそう…」
「もっと実務に合ったテンプレートを使って、レポート作成を効率化したい」
そんな方におすすめなのが、Looker Studioテンプレートを提供する「インハウスプラス」です。
インハウスプラスでは、初心者の方でもすぐに使える高品質なテンプレートを多数ご用意しています。ここでは、サービスの特徴を3つのポイントに分けてご紹介します。
GA4・Web広告・SNSレポートを自動化
インハウスプラスのテンプレートは、GA4(Googleアナリティクス4)だけでなく、Google広告・Meta広告(旧Facebook)・X(旧Twitter)・LINE広告など、さまざまな広告やSNSデータに対応しています。
テンプレートを使えば、こうした各種データをLooker Studioに連携し、レポート作成の手間を大幅に削減できます。日次・週次・月次などのレポートを、一度設定するだけで自動更新・自動共有が可能になります。
また、広告代理店やインハウスマーケター向けに、成果・コスト・ROAS(広告費用対効果)などの重要指標を見やすくまとめた構成になっているのも特徴です。
カスタマイズ対応・サポート体制も充実
テンプレートはそのまま使うこともできますが、「もっとこうしたい」「この項目を追加したい」といったカスタマイズの要望にも柔軟に対応しています。
- 社内フォーマットに合わせた調整
- 現在運用しているレポートをLooker Studioに移行するためのカスタマイズ開発
また、設定に不安がある方のために、導入サポートや操作レクチャーのメニューもリーズナブルな料金(1時間1万円)で提供しています。
導入実績3,000社以上の信頼と実績
インハウスプラスは、Looker Studioテンプレートの提供において3,000社以上の導入実績があります。
利用企業は広告代理店、事業会社、EC運営企業、制作会社など多岐にわたり、現場で本当に役立つテンプレート設計が高く評価されています。
「レポート作成がラクになった」「現場メンバーからの理解が得られやすくなった」など、ユーザーからの声も多数寄せられており、継続率・満足度ともに高いのが特徴です。
「無料テンプレートだけでは物足りない」「業務でしっかり使えるレポートを構築したい」と考えている方は、ぜひ一度インハウスプラスのテンプレートをご検討ください。
DeNAのデジタルマーケティング責任者として年間450億円を超えるECプラットフォームのマーケティングを担当。2014年に独立し、上場企業から資金調達後のスタートアップまでさまざまな企業のデジタルマーケティングのプロジェクトに関わり見識を広げた後、2018年3月に株式会社CALLOSUMを創業。